【コラム・目明き千人】規制改革会議とは別な世界もある2014年8月21日
イダカ・IDACA「アジア農協振興機関」は東京の郊外にある高尾の全中の教育センターの一画にある国際関係の研修施設である。丁度今、8月24日から9月27日までJICAの委託を受けて次の各国を対象とした研修を実施している。
研修者は日本の農水省のような役所の各部局の中堅幹部と農協組織の幹部である。
国名を挙げると、エジプト、エチオピア、ガーナ、ジブチ、南スーダン、マラウイ、ナイジェリア、ザンビア、タンザニア、シエラレオネ、アフガニスタン、バングラデシュ、ミャンマー、スリランカ、パプアニューギニア、東チモール、ベトナム。(エボラ熱騒動のためシエラレオネは今回参加出来ず)
◇
これらの国が何処にあるか、これを機会に世界地図帳を引っ張り出して確かめてみてください。島国か、内陸国か、海への出口はあるか、周辺はどのような国か、各国共に植民地からの独立以降も東西冷戦、内乱、国際紛争と多くの課題を抱えている。このような国の次世代を担う中堅幹部の人達が、各国の農業、農村、食糧という共通のテーマで35日間合宿方式での研修である。共通語は英語で、不自由な人もいるがお互いに通訳をし合って話は出来る。
◇
もう一度国名を見てもらうと、参加国は政治的に対立関係や、まったく交渉のない国もあるが農業という共通のテーマで話し合いが出来る。
これらの国の農村は、日本の農村の昭和30、40、50年代の水準のところが多い。一方で都市は現在の日本並みとなっている。発展段階の60年間くらいが同時並行で進行している。グローバル化の波が押し寄せている。日本の農業、農村のたどってきた歴史がそのまま役に立つ。農家の収入をどのようにして確保するかに焦点を絞るとそれぞれの国別の対案が出る。
◇
研修はIDACAでの専門家による講義のほか各地を訪問して農家や農協、関連施設などの視察や意見交換など現場を見る機会も作っている。
経済成長だけを唯一の指標とする人達には理解の外だが、日本の農業、農家、農協は国際的に見ても高い水準にあることを証明している。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日