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2016.08.05 
【米生産・流通最前線2016】異論が相次ぐ新米価格 中食業界 安定取引を(上)一覧へ

 28年産の早期米の収穫出荷が始まった。産地は過剰作付けの解消に努力しており、需給の改善による適正な米価回復が期待される。ただし、実需者からは安定的な取引を望む声が高まっている。最新の取引状況をもとに米穀新聞の熊野孝文記者に業界動向を解説してもらった。

◆主食用米 減少が前提

コメ 7月14日、日本コメ市場が東京、大阪、福岡の3会場で今年度第2回目の取引会を開催した。取引会には87卸112名が出席、この席で28年産早期米宮崎コシヒカリの売り物が出た。
 日本コメ市場は、例年宮崎コシヒカリが出回る直前に早期米の取引会を行い、その成約価格はその年の新米価格を占う意味から注目されていた。事前の予想では、28年産米は飼料用米増産の影響で主食用米の供給量が減少すると見込まれていたことから「前年産より上がることはあっても下がることはない」という見方であった。前年27年産米のハシリ(7月中渡し条件)の宮崎コシヒカリ1等の東京着価格(税別以下同)は1万4500円で、この価格より安くなるということはないと予想されていた。


◆宮崎コシ 高値で波紋

 14日に行われた取引会での28年産宮崎コシヒカリの売り唱えは、7月27日まで渡しが関東着1万5500円、28日から31日までが1万5100円、8月1日から4日までが1万4600円、それ以降が1万4100円となっている。
 前年産価格に比べると確かに高い価格であるが、この価格が大きな波紋を呼ぶ。
 その原因は日本コメ市場の取引会前に関西の仲介業者が28年産宮崎コシヒカリ1等を大阪着1万3600円で成約させていたからで、日本コメ市場には会員卸から「なぜそんなに高いのか」という問い合わせが殺到した。消費地の卸が宮崎コシヒカリの売り唱え価格を不審がるのはそれだけが理由ではない。同じ日に28年産千葉ふさこがねとコシヒカリの8月中渡し条件での売り物が出た。この価格はふさこがねが持ち込み1万2100円、コシヒカリが1万2200円というもので3者が直ちに成約した。いかに宮崎コシヒカリのハシリ玉にご祝儀的要素があろうとも1万5000円以上の価格は「高過ぎる」という声が上がるのも無理はない。
 宮崎コシヒカリは宮崎経済連が7月中渡しで1万5200円という建値を示したが、実際にはその1000円下で買われており、売り唱えや系統の建値と実際に取引される価格とは大きなかい離が生じている。要するにスクイズ的な価格を表に出してもそれが通るほどマーケットは甘くはない。


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