CO2削減を農産物にラベル表示 本格運用 農水省2024年3月4日
農林水産省は3月1日から温室効果ガス削減などに取り組んだ農産物をラベル表示して消費者に伝える取り組みの本格運用を開始した。
農水省はみどり戦略に基づき、CO2排出量の削減の取り組みの「見える化」を推進しており、2022年度からは温室効果ガス削減への貢献を星の数で表示する等級ラベル表示の実証販売を行っている。小売店舗や外食店で実証販売に参加したのは22年度で733か所、106名・団体となっている。
最近ではワタミグループの全国230店の居酒屋でラベル表示をした有機さつまいもを使った新メニューの提供や、イトーヨーカドー堂の東京都内13店舗で実証販売が開始された。
対象品目は、米、トマト、キュウリ、ミニトマト、ナス、ホウレンソウ、白ネギ、タマネギ、白菜、バレイショ、カンショ、キャベツ、レタス、大根、ニンジン、アスパラガス、リンゴ、みかん、ぶどう、日本なし、もも、いちご、茶の23品目。
農水省は同日、農産物などにラベル表示を行うための基本的な考え方と環境負荷低減の取り組みの算定方式や手順などを整理した「農産物の環境負荷低減に関する評価・表示ガイドライン」を策定した。
代表的な温室効果ガスの低減技術には、品目共通の取り組みとし化学肥料・化学農薬使用量低減、バイオ炭の施用のほか、米では中干し期間の延長、秋耕の実施、施設野菜では加温用燃料の木質ペレットへの置き換え、露地野菜では堆肥、緑肥の施用など。
これらの取り組みによる生産者の削減努力を反映するため、生産者が個別に算定した温室効果ガス排出量を標準値(標準的な栽培方法を想定した場合の排出量)と比べて、削減への貢献率を計算し等級化する。
削減率5~10%未満は「★」、10~20%未満は「★★」、20%以上は「★★★」とする。
また、米については生物多様性保全の取り組みについても表示できることにした。
化学農薬・化学肥料の削減、不使用、ふゆみず田んぼ、中干しなど取り組みを点数で換算し、★1つから3つで「見える化」する。
農林水産省は環境負荷低減に取り組む生産者の数などは明らかにしていないが、実証試験に参加した生産者からは「これまで環境に配慮した生産を行ってきたので分かりやすく伝えることができて自信につながった」、「地域環境、地球環境を守っていることが定量的に販売者に伝わる。星を増やすにはどんな取り組みが必要かが分かった」「これまで見えなかった苦労が評価されてうれしい」などの声が上がっている。
販売・小売業者からは「ラベルを貼ってから売り上げが前年比113%になった」、「価格が1~2割高めでも環境にいいと分かると買ってもらえることがあった」、「同じ銘柄、値段の米で比較するとラベルがあるほうが徐々に売り上げが多くなった」などの声が寄せされている。
農水省は温室効果ガス削減は「生産者だけでなく食料システムの関係者全体で達成しなけばならない。ラベル表示された農産物を積極的に利用するなど消費者の行動変容が期待されている」と話している。
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