随契米 販売期間を延長 10万t未引渡し 農水省2025年8月20日
小泉進次郎農相は8月20日、随意契約による政府備蓄米の販売期間を当初の8月末から延長することを明らかにした。引渡期限の8月20日時点で10万tが買受け業者にまだ引き渡されていないためだ。
店頭での小売精米価格を5kg2000円程度とするなどを条件とした随意契約による政府備蓄米の売り渡しは、当初、50万tの売り渡し数量を予定していたが、5月26日の募集開始以降、8月20日までの申し込み数量は32万tで、このうち4万tがキャンセルされた。
その結果、最終的な契約数量は28万tとなり、このうち引渡期限の8月20日までに引き渡されたのは18万tだった。残り10万tは出庫の遅れで未引渡しとなっている。
このため農水省は8月20日をもって新規の申し込みを停止するとともに、未引渡しの10万tについて買受け業者にキャンセルするか、引渡しを希望するか農水省が意向を確認する。引渡しを希望する場合は、「引渡し後1か月以内」に販売することを要請する。意向の確認はできるだけ早く行いたいとしている。農水省によると小売りや、外食・中食など買受け申し込み業者の大多数は販売期間を延長を希望しており、今回の措置はそれに応えるものとしている。
また、8月20日までに到着した備蓄米についても販売期限をこれまでの8月末までに加えて、「引渡し後1か月以内」に販売することをめざすよう要請する。農水省は引渡し後1か月以内の販売は「努力目標」だとしている。ただ、引渡しを希望しても、農水省から引渡しの時期を示すことはできないという。当初の想定より出庫作業に時間がかかり遅れが生じているのが原因だ。
随意契約米のキャンセル量について小泉農相は8月5日に2.9万tと公表したが、その後、20日までに約1万t増えたことになる。小紙の取材で大手コンビニは「8月20日の引取期限までに精米した商品が届かないことがわかり、やむなく数量を減らした」と理由を話した。別の業者は「いつ届くのか、問い合わせてもなかなか返事がなく、段取りができなかったのでキャンセルした」という。
農水省は出庫の遅れの要因として在庫が偏在しているうえに、買受け申し込み業者が多数で配送計画づくりに時間を要したことなどを挙げる。また、2011年に米の備蓄政策が回転備蓄方式から棚上げ備蓄方式に移行して以来、緊急的な出庫を実施することはなく、緊急の出庫に備えた年産、数量、倉庫の場所の把握など、体制整備が不十分だったといえる。とくに西日本では在庫が少なく、引渡しに時間がかかったという。
小泉農相は「スピード感」を重視して、備蓄米の随意契約による販売を大手量販店や小売り、外食などを対象にするとしたが、期限までに引き渡せなかったことについて「スピード感がないことは否めない」と農水省も認める。
今後の出庫作業についても新米の出荷作業と重なっていくことから、現場作業の見通しは立てづらそうだ。
一方で備蓄米の販売が9月以降にまでずれ込むと、新米価格への影響も懸念される。
今回の備蓄米売り渡しの問題点の検証とともに、出来秋の米価の動向とそれに対する対策も重要となる。
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