農薬:サステナ防除のすすめ2025
【サステナ防除のすすめ】水稲除草剤 草種、生態を見極め防除を(1)2025年10月21日
令和の米騒動後も米価格の高騰が続き、それに伴って米の作付面積の拡大が見込まれている。その作付面積の拡大には、これまで休んでいた水田を復活させたり、部分休耕していた水田の全面利用などが必要になるだろう。ところが、部分休耕では作付けされていない部分での雑草管理が緩い水田も多いため、毎年作付けしている水田に比べて雑草の発生量が多くなるケースが予想される。また、休耕田の復活では雑草の発生様相が変化しており、雑草防除が困難なケースも予想される。そうすると、水田の状態に合わせた除草剤の選定が不可欠になる。
以下、雑草防除の基本に立ち返りながらサステナ的除草剤選びのヒントを紹介する。

3成分組み合わせ
主な水田雑草とその特徴
雑草防除は、その名のとおり水稲以外の植物(雑草)を退治することである。それを効率よく行うためには、敵(雑草)をよく知る必要がある。
雑草とは、農耕地に農作物と同様に生えてくる草本の植物で、肥料分の収奪、光の競合、水の競合、生育場所の競合などによって農作物の生育に影響を与え、農作物の収量・品質を低下させることによって経済的被害を引き起こすものである。水田雑草には43科191種があり、イネ科、カヤツリグサ科、キク科に属するものが多い。また、次世代の発生器官として種子だけを残すものを一年生、種子以外の地下茎や根を発生源として残すものを多年生雑草と分類している。
加えて、形態の違いと除草剤の効果の違いから、稲のように細長い形をした葉を持ち、葉脈が平行になっているものをイネ科雑草といい、イネ科以外で葉の形が広い雑草で葉脈が網目状になっているものを広葉雑草という。
水田雑草では、イネ科以外を広葉雑草と考え、カヤツリグサ科も広葉雑草に加えて雑草防除を考えることも多い(表ではこの考えに基づき、カヤツリグサ科を広葉雑草に加えて整理した)。
雑草の分類で雑草防除に与える影響が一番大きいのは発生器官が一年生か多年生の違いによるものだ。多年生雑草の多くは、地下茎や塊茎といった種子以外の器官(種子より圧倒的に大きく除草剤が効きにくい)でも繁殖し、地中深い所からも発生できるため栽培期間を通じてだらだらと発生することから難防除雑草であるものが多い。
次に影響が大きいのは科の違いである。除草剤の有効成分には、得手不得手、つまり枯らせる雑草とそうではない雑草とがあるので、水田にどの科の雑草が優先して生えているのかで除草剤の選択が異なってくるからである。
発生する草種に合わせた除草成分選び
前述のように、水稲除草剤を選ぶ際には、自分の水田にどの雑草が生えるかを把握し、その雑草に効く(枯らすことができる)除草剤を選択する必要がある。
水稲はイネ科植物であるので、同じイネ科で強害草であるノビエ(ケイヌビエやタイヌビエなど水田で発生するヒエの総称)を枯らすためには、水稲には影響のない選択性のある除草成分を使用したり、水稲とノビエの生長点の位置の違いを利用して物理的選択性を持たせたりする。
これは、除草剤の影響を受けやすい生長点を、水稲の場合はその生長点が除草成分の影響が及ばない深さに移植することで除草剤の影響を避け、除草剤の成分が存在する浅い位置から発生するノビエは直接的に除草剤の影響を受けるという仕組みだ。
このように、水稲除草剤は、基本的にはノビエを枯らすヒエ剤と、稲には影響が少なくイネ科以外の広葉雑草を枯らす広葉剤の組み合わせで構成されている。それに加えて、カヤツリグサ科の雑草が多い場合はカヤツリグサ科を得意とする除草成分(通称カヤツリ剤)を加えた3成分の除草剤が最も除草効率もよく、実際に現在最も多く普及している組み合わせだ。
どの有効成分がどの草種に効果を示すのか、HRACの分類とともに表(主な除草成分の作用機作・化学分類と対象草種一覧)に整理したので除草成分選択の際の参考にしてほしい。
HRACの作用機作別に分類したのは、雑草についても、ALS阻害剤抵抗性など特定の除草剤に抵抗性を持つ雑草の発生が確認されており、これらは同じ有効成分を長期間使用し続けた結果発生してくることから、それを避けるために作用性の異なる除草剤との組み合わせが推奨されているからである。この一覧表は除草剤を選ぶ際に、作用性の異なる除草成分の組み合わせになっているので、例年使用していた除草剤とは異なる作用性の除草剤成分を含む除草剤を探す際の参考にしてほしい。
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