茨城大学、HYKと産学連携 干し芋残渣で「米粉のまどれーぬ」共同開発 クラダシ2025年10月21日
ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営する株式会社クラダシは、茨城大学の石島恵美子研究室と株式会社HYK(北海道札幌市)と連携し、干し芋の製造過程で発生する未利用資源である干し芋残渣をアップサイクルした「米粉のまどれーぬ」を開発。10月20日から「Kuradashi」で販売している。
米粉のまどれーぬさつまいも味(1セット4個入り)1980円(税込・送料別)
今回開発した「米粉のまどれーぬ」は、干し芋残渣をたっぷり練り込んだ、ふんわり食感のマドレーヌ。干し芋残渣は、製造過程で切り落とされる皮や身の部分を指し、原料となるさつまいもの約40%を占めると言われる。おいしくて栄養価が高い一方、その多くが廃棄され、処理する際に埋め立てると異臭が発生するなど環境問題につながっている。
こうした干し芋残渣をHYKのノウハウにより、さつまいもの自然な甘みと風味を活かしたマドレーヌに仕上げた。マドレーヌに使った米粉は、粒が小さい、割れているなどの理由で一般に流通しない規格外の米を原料としている。また、パッケージのシール貼りや出荷作業は、HYKが運営する就労継続支援B型事業所「ベジタブル」が担っている。
クラダシは、フードロス削減を目指し、賞味期限が切迫した食品や季節商品など、消費可能でありながら通常の流通ルートでの販売が困難な商品を買い取り、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」で販売。その売り上げの一部でさまざまな社会貢献活動を支援している。さらに、クラダシが自ら社会貢献活動を行うために創設したクラダシ基金を活用し、2024年9月には大学および大学院のゼミ・研究室との共同研究を初めて実施した。
その共同研究先の一つである茨城大学・石島恵美子研究室は、干し芋生産農家を取り巻く産官学協働プロジェクトを通じて、地域コミュニティの強化や持続可能な地域づくりに貢献する研究も行っている。クラダシとの共同研究では、「干し芋残渣のアップサイクル及び食品ロス学習プログラムの開発」に取り組んだ。
HYKは、食「札幌マドレーヌ本舗マドマドレ」・福祉「就労継続支援B型事業所ベジタブル」・環境「オリジナル紙袋製造販売」の三分野を結び、「もったいないを形に」「食と福祉を結ぶ」をテーマに安全で安心な商品を提供。さまざまな理由で廃棄される可能性のある食材に新たな価値を見出し、工夫と技術で製品化することでフードロスの課題解決に積極的に取り組んでいる。
今回の取り組みは、大学との共同研究の成果を起点に、クラダシをハブとして新たな企業連携を生み出し、フードロス削減という具体的なアクションにつながった。
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