中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
JA全中教育部は4月19日、東京・大手町のJAビルで「ミライ共創プロジェクト」の成果発表を行った。JAの企画担当部課長クラスを対象に、全国4カ所でフィールドワークを実施し、討議やSNSによる情報交換などを通じてJAの新しい価値創造のための事業構想の立案をめざした。プロジェクトには12人が参加し、四つのチームで検討した。発表はJA全中の、JA中央会教育・人事労務担当部課長全国会議で発表した。提案の内容(要点)は次の通り。
成果発表したプロジェクトの参加者
【チーム1】
▽事業名「ÅIを活用した新規就農者の支援」
AIの技術革新と農業の融合で、より効率的な生産性の高い農業が実現できる。特にAIを活用したアプリは新規就農者をサポートする有力なソリューションになる。JAが蓄積している生産履歴や品質、収量データをAIにインプットしてアプリを開発する。
AIは、土壌診断や施肥についての提案、病害虫予測通知と病理診断、スマート灌漑、農作物の価格予測、農作業の効率化と生産性向上、農作業スケジュールと収穫予測などの機能を持つ。ユーザーはチャット形式でAIと対話し、アドバイスやサポートを受ける。初期投資は一定程度かかるが、地域密着型のAIモデルのため他地域への横展開が可能で、潜在市場は大きい。
(齋藤正記〈JAふくしま未来〉、久保寺一志〈JAはだの〉、榎本淳実〈JA北ひびき〉)
【チーム2】
▽事業名「ミライ共創協同組合」
プロジェクトのフィールドワークを通じて、JAという信頼できるブランドがあってこそできる事業を探ってきた。それにはこれまでのようなJA単独ではなく、JA間連携によって、全国の地域活性化に取り組むためのミライ共創協同組合を立ち上げる。具体的なビジネスとして「農業の"弟子"」事業と「婚活」事業をモデルとして実地する。
「弟子」事業は、農業を継いでほしい高齢者(師匠)と、農業をやりたい「弟子」双方の情報を「ミライ共創協同組合」が収集し、両者のマッチングを図る。「婚活」も「弟子」事業と同じようにマッチングサイトを通じて広範囲に実施する。こうしたJAへの横串はJAグループにしかできない。
(弓削田勝〈JAセレサ川崎〉、堀正司〈JA福岡市〉、茂木泰裕〈JA東京あおば〉
【チーム3】
▽事業名「つながるBOX]
JAを核に消費者と生産者をつなぐ「つながるBOX]で、CSA(地域社会に根ざした農業)を展開する。代金前払い契約で、天候不順による不作のリスクを消費者と生産者の双方が負担する。消費者は顔の見える関係にある生産者から新鮮で安心できる食材を手に入れることができる。
生産者には環境保全型農業、クリーンな栽培体系への転換を勧め、消費者と地域農業を結び付けることで「食」と「農」への取り組みに広がりをもたせる。「つながるBOX」の中身は「グリーンコンシューマー」(子育ての女性等)、「食への意識が高い層」(地産地消に関心のある産直の利用者等)、「成長ポテンシャル」(JAに関心の薄い地域住民等)ごとにセグメント化して対応する。
(鈴木聡〈JAやまがた〉、春日井真司〈JAぎふ〉、美濃宏之〈JA香川県〉)
【チーム4】
▽事業名「人が集まる仕組みづくり」
フィールドワークの場になった徳島県上勝町のように、魅力ある地域には人が集まる。その仕組みを作る。集める対象は子育て世代とシニア世代とする。女性が活躍する場として農業法人を設立し、高齢者向けにはサービス付き「住宅プラス農業」を設ける。
女性の農業法人は、生産の過程をSNSで届け、消費者は自宅にいながら農業をバーチャル体験し、自分が育てたい野菜のオーダーもできる。こうした一連のサービスを提供し、収穫物への愛着を育てる。また高齢者に対しては、農業を「仕事」からセカンドライフの「生きがい」に切り替える。栽培は自分(家族)の分だけとし、体力的に無理をしない範囲で栽培するなど農業のイメージを変える。
(天白知幸〈JA伊勢〉、川原慎太郎〈JA鹿児島いずみ〉、吉田友輝〈JAグリーン近江〉)
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