長野県の5JA来年9月合併へ2015年7月7日
購買高全国3位に
長野県の北信地区の5JAは6月29日、合併推進委員会を発足させ、合併に向けた具体的な作業に入った。発足は平成28年9月1日。購買品供給高で全国3位、組合員数約6万8000人(全国13位)、購買品供給高(同3位)、販売品販売高302億円(同9位)のJAが誕生する。
◆推進委スタート
北信地区のJA須高、JA志賀高原、JAながの、JA北信州みゆきの4JAは、平成26年6月に組織再編研究委員会を立ち上げて、再編のメリットを研究し、その成果をとりまとめて27年1月から各JAで組合員懇談会などを重ねてきた。その結果、新JAの姿を具体的に示すことが必要となり、4月から加わったJAちくまを含め、5JAによる合併推進委員会をスタートさせた。
これから新しい合併JAとして、事業計画などの策定に取り組む。北信地区は、全国でも有数の果実、野菜産地で、5JAで果実134億円、その他の農産品166億円の販売高を持つ。
こうした実績を基に、新JAでは、(1)これまでのブランドを維持しながら、統一的な販売戦略の構築、(2)新たなブランド産品の開発、(3)標高差を利用した果実の広域リレー販売、(4)出荷企画の統一されている品目を優先したロットの拡大―など、特に販売面で合併のメリット追求を、新JAの主要な取り組み事項として挙げる。
今後、合併に向けて28年1~2月、各JAで集落座談会を開く。これまでの座談会での要望が強かったことから、最終的な合併の賛否は、総代会でなく、総会開催方式で決める。なお今回の合併には、JA中野市とJAグリーン長野は加わらない。
全国的には、25年からこれまで、大きいところでは、島根県(全県の11JA)、JA常陸(茨城県北の5JA)など、7JAの合併JAが誕生している。合併は一時落ち着いていた。しかし、この1、2年、TPPや農協改革、人口の減少、農業の衰退にともなう、JA事業や経営・組織基盤の縮小など、JA経営の将来を見通して、新たな合併の段階に入りつつある。
28年3月には福島県で4JA、4月に埼玉県で1JAが新たに発足の予定。ほかに山口、高知、鹿児島の各県で県内全域あるいは数JAによる合併の動きがある。
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