「農協改革」で議論を 課題・意識の共有促す 新世紀JA研が課題提案2016年6月24日
全国のJA常勤役員の相互研讃と情報交換を目的とする新世紀JA研究会は6月22日、東京・大手町のJAビルで特別研究会を開き、JA全中の奥野長衛会長など全国組織の役員と意見交換した。特に同研究会がこれまで検討してきた「新総合JAビジョン確立への提言」をもとに、農業振興を中心とするJA改革の方向を探った。
研究会には、新世紀JA研究会の役員、JA全国組織からはJA全中の奥野長衛会長、JA全農の吉永正信専務、農林中金の中島隆男常務らが出席。提案した「新総合JAビジョン確立への提言」は、新世紀JA研究会が、今年の2月から6月まで、8回にわたる特別研究会で検討してきた。
ビジョンは農業振興や准組合対策、信用事業の事業譲渡などで、農協法を改正など、いま政府が進めている「農協改革」で俎(そ)上に挙がっているものを重点的に取り上げている。
農業振興では、JA直営の1000農場の設置、バリューチェーンの構築、1JA1ブランド戦略の樹立などを提案。准組合員については、JA運営への意思反映のための制限付き議決権の検討などを挙げている。
また信用事業では「協同組合・総合JAを否定する」ものとして、「事業譲渡を行わせない運動の展開」と提案。「事業縦割り、集中・集権型の事業運営の排除した協同組合らしい、組合員の営農・生活活動の目線で集中・文献型の経営の確立」の必要性を強調。
これらの提案を実現するため、中央会の役割を強調。「総合JAとの対等なパートナーシップに基づいたナショナルセンターとしての機能強化が必要」とした。
意見交換では、政府の農協改革でJAの危機感が高まっているとの訴えに対して、JA全中の奥野会長は「近未来でなく、政府の農協改革は、現実になっている」と認識を示した。
その上で、「個別撃破されないように、全国8連合会の会長会議を開くなど、横のつながりを強めるよう努めている。新自由主義は、農業者が自立すれば農協不要だと考えているようだが、それは難しいということをしっかり訴え、それぞれの事象ごとに、正論によってきちんと反論して行かなければならない」と述べた。
なお、新世紀JA研究会は、これまでの特別研究会を引き継ぐ形で、9月から月1回のペースで「危機突破課題別セミナー」を予定。「新総合JAビジョン確立への提言」に基づき、課題・意識の共有、意識啓発を進める。
(写真)JA全国組織常勤役員と意見交換する新世紀JA研究会
重要な記事
最新の記事
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「菊池水田ごぼう」が収穫最盛期を迎える JA菊池2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
【JA人事】JA北つくば(茨城県)新組合長に川津修氏(4月20日)2024年4月26日
-
野菜ソムリエが選んだ最高金賞「焼き芋」使用 イタリアンジェラートを期間限定で販売2024年4月26日
-
DJI新型農業用ドローンとアップグレード版「SmartFarmアプリ」世界で発売2024年4月26日
-
「もしもFES名古屋2024」名古屋・栄で開催 こくみん共済coop2024年4月26日
-
農水省『全国版畜産クラウド』とデータ連携 ファームノート2024年4月26日
-
土日が多い曜日まわり、歓送迎会需要増で売上堅調 外食産業市場動向調査3月度2024年4月26日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 一時輸入停止措置を解除 農水省2024年4月26日
-
淡路島産新たまねぎ使用「たまねぎバーガー」関西・四国で限定販売 モスバーガー2024年4月26日