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シリーズ:今村奈良臣のいまJAに望むこと

【今村奈良臣・東京大学名誉教授】

2018.02.17 
第44回 さらなる発展・深化をとげる農産物直売所の理論ならびに実践報告一覧へ

・第16回全国農林水産物直売サミット 愛媛大会の報告を通して考える

今村奈良臣 東京大学名誉教授 第16回全国農産物直売サミットのテーマは「直売王国・愛媛で考える、直売所の持続的な経営」とされ、平成30年2月1日(木)~2日(金)の両日、私が理事長をつとめている一般社団法人都市農山漁村交流活性化機構(愛称まちむら交流きこう)と全国農産物直売ネットワークの主催のもとに開催された。1日目はサミット及び交流会を松山全日空ホテル「ダイヤモンドボールルーム」において、さらにその後、5つの分科会に分かれて報告、討議を行い、それらの集約もかねて夕刻6時半からダイヤモンドボールルームで盛大な懇親・交流会が開催された。さらに、翌2日目は4コース(後述)に分かれ、バスを連ねて現地視察・交流・意見交換などを行った。
 今回開催サミットの開催趣旨をまず紹介しておこう。
 
<開催趣旨>
 全国各地の農林水産物直売活動の情報交換を行い、運営の課題解決や情報発信を進めるとともに、直売所間のネットワーク化を図るために開催している全国農林水産物直売サミット。第16回目となる本年度は、柑橘の大産地であり、特産品開発や6次産業化など農林水産物の付加価値化に向けた活動を全国に先駆けて実施し、産直王国としても知られる愛媛県で開催します。
 本サミットでは、「直売所の持続的な経営」をテーマに、地域に根差した農林水産物直売所が、将来にわたり健全な経営を進めていくための方策を探ります。直売所に対する社会的な期待や要請が高まる中、全国の直売所関係者が一堂に会し、各地の実践ノウハウを共有するとともに、直売所間の連携を深め、直売活動のさらなる発展に役立てることを目的に開催します。
 
<参加者は全国から304名にのぼる>
 参加者は愛媛県関係者や事務局などを除き304名の多数にのぼった。主な都道府県別に示しておけば、北海道5名、青森県14名、宮城県1名、秋田県4名、山形県1名、栃木県7名、群馬県3名、千葉県14名、東京都7名、神奈川県1名、福井県2名、長野県7名、岐阜県1名、静岡県1名、愛知県3名、滋賀県13名、京都府3名、大阪府1名、奈良県9名、和歌山県9名、島根県20名、岡山県6名、広島県24名、山口県7名、徳島県1名、香川県5名、愛媛県88名、高知県8名、福岡県10名、佐賀県5名、長崎県7名、熊本県3名、大分県3名、鹿児島県1名などとなっており、そのほかに主催者の職員など(来賓などの方々は除く)を含めて312名の多数の参加者によるサミットとなった。参加者の分布はこれで判るように、北から南に至る各地から参加されており、「これから直売所を興したい」、「直売所の運営に行き詰まりがでてきた、ノウハウを学びたい」、「農業生産者との結びつきを深める方法は?」、「農産物加工のノウハウを学びたい」、「直売所と地域おこしの連携を学びたい」、「レストラン開業とそのノウハウを学びたい」、「海産物の直売をどうしたらよいか」などなどの課題を抱えて参加されていたようである。
 
<開会>
 開会にあたり、主催者挨拶を(一財)都市農山漁村交流活性化機構専務理事山野昭一が行い、開催地挨拶に愛媛県副知事 上甲俊史氏、松山市副市長 梅岡伸一郎、農林水産省中国四国農政局長 坂井康宏氏からそれぞれ歓迎の挨拶と合せて激励の言葉をいただいた。
引き続いて、講演が行われ、「地域農業振興の拠点として~『さいさいきて屋』の挑戦~」というタイトルで、JAおちいまばりの直販開発課、課長兼店長(愛媛県今治市)の木原嘉文氏が行った(その内容は次回に紹介しよう)。
 さらに引き続いて、「話題提供」として、「愛媛県における産直施設と道の駅の可能性」というテーマで、(株)いよぎん地域経済研究センター主任研究員の土岐博史氏が、さらに続いて、「全国農林水産物直売所実態調査から見える、直売所のいま――平成29年度に実施した全国直売所実態調査の概要報告――」について(一財)都市農山漁村交流活性化機構、地域活性化チーム長の森岡亜紀さんの詳細な報告が行なわれた。なお、これはデータが大量でありかつ重要な内容を含んでいるので、次回あるいは次々回に詳細に報告したいと思う。
 
<直売所事例紹介>
さらに引き続いて直売所事例紹介として、
(1)「海産物直売で新たな需要創出」とのテーマで(株)道の駅むなかた営業部長(福岡県宗像市)工藤達哉氏が、
(2)「大型店でもできる地場産率100%」というタイトルで、ええじゃん尾道(JA尾道市)店長、考査役(広島県尾道市)吉原徹氏が
(3)「地域ぐるみ特売所の長続きの秘訣」というタイトルで、内子フレッシュパークからり総務課長(愛媛県内子町)木ノ下博子さんが
(4)「学校給食など地産地消施設の直売所」というタイトルで、たいき産直市「愛たい菜」(JA愛媛たいき)店長(愛媛県大洲町)宮岡寛樹氏からそれぞれ興味深い報告をしていただいた。
 
<分科会の開催>
 引き続いて5会場に分かれて分科会が開催され、貴重な報告と討議が展開された。以下各分科会のテーマ、報告者・助言者を紹介しておこう。

 
第1分科会
 「直売所での海産物の売り方、活かし方」
 (株)道の駅むなかた営業部長(福岡県宗像市)工藤達哉、道の駅八幡浜みなっと館長(愛媛県八幡浜市)工藤謙児の両氏

 
第2分科会
 「品揃えの充実に向けて。生産者向け集荷対策」
 ええじゃん尾道 店長・考査役(JA尾道市)吉原徹、道の駅天空の郷さんさん(愛媛県久万高原町)岡誠也の両氏

 
第3分科会
 「直売所の持続的な経営・長続きする秘訣」
 内子フレッシュパークカラリ(愛媛県内子町)木ノ下博子氏

 
第4分科会
 「給食食材供給など地産地消の核となる直売所」
 たいき産直市「愛たい菜」(JA愛媛たいき)店長宮岡寛樹氏

 
第5分科会
 「特別講座・農産物直売所は6次産業化のトップランナー」
 全国農産物直売ネットワーク代表・東京大学名誉教授今村奈良臣

 
 以上の分科会の報告・討議を終え、大会議場(ダイヤモンドボールルーム)に会場を移し、「えひめの旬の食材を囲む交流懇親会」を行った。大会場は満室の盛況で愛媛県の海の幸、里の幸、山の幸にあふれた料理と銘酒をたしなみつつ盛況のうちに閉会となった。
 翌2月2日(金)は好天に恵まれ、県下を4コース(A:中予・東予コース、B:東予コース、C:中予・南予コース、D南予コース)に分け、バスに分乗、現地視察と現地討議を行ったが、いずれその内容は次回以降に紹介することとする。

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