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集落営農も先進事例 魅力ある農山漁村づくり2015年5月12日

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 3月に策定された「食料・農業・農村基本計画」に合わせて、農林水産省は農山漁村地域の活性化に向けた考え方や実践のポイントなど整理した「魅力ある農山漁村づくりに向けて」をとりまとめている。地域住民全体で話し合いを重ねて合意を形成する場づくりの大切さや集落営農の組織化、さらに農産物の加工、多彩な地域資源の活用による所得確保など、これまでJAグループが地域営農ビジョンづくりなどを通して「地域づくり」で実績を挙げてきた考え方も強調されている。JAとしても今後の地域戦略を考えるうえで、改めて注目しておきたいポイントも多い。

◆田園回帰の定着を
 
 農水省のとりまとめは有識者による「活力ある農山漁村づくり検討会」(委員長=小田切徳美明治大教授)の報告書が核になっている。同検討会は昨年7月に第1回会合を開き今年3月に報告書をまとめた。副題に「都市と農山漁村を人々が行き交う『田園回帰』の実現」を掲げた。
 人口減少社会を見据え将来の農山漁村の姿を議論する…というのが検討会開催の趣旨だったから、報告書は“農業・農村をめぐる厳しい状況”をまずは指摘していると思うかもしれないが、書き出しは「農山漁村が動き始めている」だ。
 そのうえでさらに具体的な動きを記している。△地方の都市から遠く離れた「むら」に若者が戻りはじめている、△若者が地域の真ん中で活動している、△地域の人々の手で「むらづくり」が進んでいる……などを挙げたほか、震災復興などをきっかけに若者の価値観が変わりつつあり、農山漁村に目を向け、さらに地域の担い手として暮らす動きにも注目すべきだとして「田園回帰」の流れが着実に生まれつつあることを指摘した。
 これらの動きをこの報告書で指摘したことについて、同検討会自体が現場の取り組みに学んだとして、「魅力ある農山漁村づくりは常に現場の実践から始まる」、食料供給以外にも国土保全など多面的機能を持つ農山漁村は「国民の共通財産」と強調した。
 ただ、現実には人口減少や高齢化が進むことから、人が住み続けるために都市と農山漁村を人々が行き交う「田園回帰」の対流型社会実現がこれからの日本社会の課題だと打ち出したのがこの報告書の特徴といえる。


◆アクションにつなげ

 報告書と合わせて、先進事例から地域づくりの道標となるよう「現場から学ぶポイント」もまとめられている。
 主要なポイントは以下のとおりだ。


 ◎出発点は、集落の存続に対する危機感や目指す方向を明確にしてアクションを起こさなければならないことを「地域住民全体として共有すること」。
 ◎意識を共有するために「住民全体での話し合い」を重ね永続的な取り組みをめざす。
 ◎永続的な取り組み実現には自立的活動のための「地域全体の所得かさ上げ」を。
 ◎地域外で生じていた付加価値を地域内で生み出す。地域外に流出していたお金を地域内で循環させる。
 ◎活動の永続性をさらに高めるには活動組織の法人化が有効。
 ◎法人化の目的は農地など地域資源の維持・管理、地域活動の継続。


 とくに始めの一歩を踏み出すため住民どうしで徹底的に話しあうことの重要性や、住民アンケートを行う場合には女性や若者の意見も聞くように1戸1票ではなく1人1票とすること、時間をかけてみなが考えを述べる自由討議(ワークショップ)の有効性なども強調している。
 また、自分たちの暮らす地域を再確認するため、集会所や商店街など拠点となる施設、地域の魅力を伝える棚田、屋敷林、郷土芸能などを記した地域マップをつくることも次の行動につなげる取り組みとなる。そのほか、単独で取り組むことが困難な集落は近隣集落との協力、連携も必要だとした。


◆地域の所得を視野に

 地域づくりを永続的に進めるために強調されているのが「地域全体の所得のかさ上げ」だ。
 取り組み例として挙げられているのは▽地域内の暖房用燃料の一部を灯油から地域資源の木質バイオマスに置き換、▽肥料の一部を地域内家畜排泄物のたい肥化に置き換え、▽出荷手段のない高齢農家の生産物を庭先巡回で集荷してまとめて出荷などすでに各地で実践もある例が挙げられている。
 そのなかで先進事例とされているのが広島県の「農事組合法人ファームおだ」だ。JAグループの地域営農ビジョン運動などでもしばしば参考にされている法人だ。行政合併を契機に、集落(旧村)で廃校になった小学校舎を拠点にした住民自治組織をつくり、そのうえに農地を集約した農業生産部門とレストラン、加工・直売などによる多角経営化に取り組んでいる。
 3年前には米粉パン部門を新設しさらなる経営の安定化をはかっている。地域内の収益や域内還元を試算すると、米粉パン事業による収益の約30%にあたるという。今後はさらに地元小学校への供給なども追求するといい、さらに地域への利益還元の道を探っていることも紹介されている。
 経営体としての発展の追求ではなく、多様な地域住民の参加による多角的な経営が農地をはじめ地域資源の維持に寄与している。何のために経営多角化を地域所得の底上げをめざすかが明確な取り組みに注目したい。

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