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地域・准組とともに"食料農協"目指す 【宗 欣孝・JA福岡市代表理事専務】2018年12月14日

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・どうとらえる信用事業の代理店化
・中金の事業戦略とJA福岡市の報告もとにあり方めぐり意見交換

宗 欣孝・JA福岡市代表理事専務 JA福岡市は、都市型JAとして、人口約158万人の福岡市の8割程度をカバーしているJAです。市内には、もうひとつのJA、JA福岡市東部があります。JA福岡市管内は、みなさまもご存知と思いますが、天神や中洲といった市街地もあれば、農村地域、中山間地もある、とてもバラエティーあふれる活気ある地域です。
 概況は、3月末で正組合員6578人、准組合員3万2690人、計4万人ほどです。女性の比率は高いものとなっています。平成10年ころ、組合員減少という状況を認識し、平成12年から「組合員加入促進運動」を展開してきた結果、拡大の一途です。今次3か年においては、准組合員規制がどうのこうのと言われていますので、既成事実化というか、それまでの倍の目標で進めています。
 今後は、准組合員の意思反映をどうするかについて改革していきます。ただ、准組合員にも、いろいろあります。正組合員の分家、離農した方、土着型で昔から取引のある方、この方々はある程度、JA運営にも興味があると思いますが、そうではない准組合員もいるでしょう。そこを分類して制度設計を行う必要があると考えます。
 支店数は32です。発足56年になりますが、支店統廃合は1度も行っていません。そのうち22は母店で、合併前の村の農協です。10は戦略的に配置した子店です。統廃合してこなかったということは、まあ贅肉を残している状況ですから。こういう厳しい環境下、今後は「母子店一体化」という取り組みを進めていく予定です。母店と子店は、組織は一つですから、なんとかやれると思います。統廃合という言葉は使いません。
 職員は約450人です。貯金は、3970億円、9月末では4041億円と順調に増加しています。貸出金は2007億円ですが、9月末で2037億円とこちらも増加しています。販売品販売高は43億円で、歴代2位の販売高となりました。10年ほど前には31億円台まで落ち込んでいましたが、この金額は農業所得増大が求められるなか、都市型JAとして誇っていいのではないかと思います。
 経営理念は、「私たちは人と自然とのかかわりを大切にし、地域に愛されるJA福岡市を目指します」です。現3か年計画の基本方針は、「我々は福岡市食料農業協同組合を目指して、組合員の農とくらしを守り、地域へ安定的な食を提供します」です。福岡市食料農業協同組合という表現は10年近く前から言っていました。現在の農協改革のなかで、准組合員の規制が言われていますが、そもそもJA=農協は国民、地域住民に対して、安全な食を提供することも一つの使命です。そう考えると、地域住民の方々も大いにJAと関係するものであり、准組合員を規制すること自体がおかしな話であるということになります。そのような観点で我々は外部に訴えています。

(写真)宗 欣孝・JA福岡市代表理事専務

 

◆小回りのきく規模

 JA福岡市の置かれた状況としては、利ざや縮小による信用収益の減少があります。しかしながら、そこは共済や他事業でなんとかカバーしています。また、隣のJA福岡市東部との合併協議を進めていましたが、県下1JA構想が発表され、相手方組合員から、様子を見るべきだとの意見があがり、凍結となりました。その県下1JA構想についてですが、私の個人的意見としては、当JAは参加すべきではないと思っています。私は、先の見えない今だからこそ、小回りのきくコンパクトJAの方がベターだと考えるからです。
 全国のJAで自己改革を進めていますが、当JAでは、従前から改革・前進していました。よって、真新しいことを始めているかというと、それは難しい面がありますので、これまでもやってきたこととして、〝不断の改革〟として、組合員に訴えてきたところです。農業面では、昭和56年からの減農薬の稲づくり、平成16年からの米の買い取り制度、さらには、コスト低減の取り組みなどです。また、都市型JAとして、組合員の資産運用相談や税務・法律相談に昔から力を注いできました。近年では民事信託相談も全国に先駆けて開始しています。さらに、協同活動として、支店行動計画や支店だより発行なども、先駆けて開始し、これは全国のJAに広がっています。
 信用・共済事業については、他JAとあまり変わりはないのではないでしょうが、強いてあげるなら、LA制度は導入せず、複合渉外ということです。また平成7年度から、渉外への報奨金は廃止しています。しかし、他JAのLA専任に負けずに、共済を挙績しており、全国表彰も毎年20~30人受けています。報奨については、支店業績評価制度としており、支店全体を表彰しています。さらに、支店の垣根を越えたFSTの実施や、クロスセル・アップセルの意識を持たせることで、信用・共済、ともに実績をあげていくよう指導しています。
 共済事業は毎年順調であり、保有高も維持しています。これも、JA福岡市独自の保障額評価が寄与しているものと思います。あくまでも「お客さまに必要な保障を売る」という観点を示し続けていることが要因でしょう。
 信用事業について、貯金は順調に増加していますが、貸出金は2000億円をようやく維持しているという状況です。しかしながら、本年上期は30億円の純増を見ています。これは今年から、銀行への借り換えが減少したことが大きいと考えます。とは言いながら、他JAの方から、融資が多いですね、といわれるのですが、これは古くから相談事業をしっかりと進めてきたこと、数年前から設置している融資相談マネージャー制度が機能してきたことが要因と考えます。

 

◆"循環型総合事業"で

 以上述べてきましたが、当JAでは、信用で9億円、共済で3億5000万円の事業利益を稼いで、それを営農指導や販売事業、相談事業に投下し、それで組合員満足を感じてもらい、さらに所得を増大していただき、それをもって、信用・共済事業の利用をしていただくという「循環型総合事業」という考え方を進めているのです。こういう点と、前記の不断の改革、これらについて組合員に理解してもらうため、今夏に組合員訪問活動を展開したのです。
 また、組合長は総代・協力委員訪問、私はTACに同行しての担い手農家や若手農業者訪問、指導経済常務は共販部会長訪問と、多様な訪問活動により組合員と対話し、理解を深めてもらい、下期のアンケート調査につなげることとしています。
 今後も、我々役職員は、正組合員に対しては、「皆さんが、信用・共済事業という協同活動に参画してくださるので、営農・販売・相談事業という人件費のかかる事業に、その収益を投下できるのです」と訴え、営農・販売・相談でJAがしっかり応えることで、「やっぱりJAはなくては困る。購買・信用・共済を利用しよう」と感じていただくよう努めていきます。
 そして准組合員に対しては、「我々JA福岡市は、万一食料が不足するという有事の際は、正組合員農家が丹精込めて生産する米・野菜などの農産物を優先的に供給します。だから皆さん、おおいにJAの直売所などで日ごろから農産物を購入していただくことはもちろん、信用・共済事業もどんどん利用してください」と伝えていこうと考えています。

 

※このページ「紙上セミナー」は新世紀JA研究会の責任で編集しています。

新世紀JA研究会のこれまでの活動をテーマごとにまとめていますぜひご覧下さい。

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