除草剤耐性の新形質発見に向け提携 BASFとKaiima2017年8月2日
BASF(本社:ドイツ)とKaiima Bio-Agritech(本社:イスラエル)は、EPテクノロジープラットフォームを活用して、除草剤耐性の 新たな形質を特定するための提携を発表した。
ドイツの化学会社BASFと、遺伝育種学テクノロジー企業のKaiima Bio-Agritechは、農業従事者の生産性を向上させる新たな雑草防除システムを開発するために、除草剤抵抗性の新たな形質の発見に向けて提携したことを発表した。
このプロジェクトは数年に渡るもので、Kaiima独自のEPテクノロジープラットフォームを活用して行われる。
EPテクノロジーは、植物自身のDNAを利用してゲノム内の新たな多様性を誘導し、植物の能力を高める非遺伝子組み換えの育種ツールだ。EPは、他の突然変異誘発手法では達成が困難な遺伝子重複や遺伝子転座など、様々な遺伝的多様性を作り出すことができるテクノジーで、あらゆる主要作物と植物種に使用できる。Kaiimaは同社のゲノミクスにおける専門知識を活用し、新たな形質につながる遺伝的多様性を特定していく。
一方、幅広く多様な除草剤製品ポートフォリオをもつBASFは、除草剤の利用とフォーミュレーションに関する広範な知識および精密試験能力を提供し、発見の検証に関しては、Kaiimaと密接に連携を行っていくとしている。
KaiimaのCTOであるケヴィン・クック氏は、「標的とする遺伝子に個別の編集を加え、新たな形質を作り出す遺伝子編集技術に対し、業界中から関心が寄せられています。しかし、標的とする形質を制御する遺伝子系は、たいていが未知のものです。EPは求める形質を生み出すうえで、特定の生化学的経路に関する知識上の制約を受けないため、このような場合でも応用できる、ユニークなテクノロジープラットフォームなのです」と述べている。
また、KaiimaのCEOであるリック・グリュベル氏は「Clearfieldのように高度な雑草防除システムを商品化しているBASFは、理想的なパートナーです。BASFも製品の有効性を高め、生産効率を向上させる優れた種子技術を有しているため、今後の共同プロジェクトにつながる可能性が広がります」と述べている。
そしてBASF農薬事業本部のグローバル研究開発担当シニア・バイスプレジデントである Dr.ハラルド・ラングは「当社の膨大な農学知識を補完するテクノロジーを、私たちは常に探しています。Kaiimaには、私たちが非遺伝子組み換えの除草剤の新たな形質を特定し、当社の雑草管理ソリューションのポートフォリオを拡大するのに役立つ、ユニークな能力があります。私たちはKaiimaとの戦略的パートナーシップを、新たな除草剤ソリューションを開発し、収量と作物品質を向上させるためのすばらしい機会ととらえています」と語っている。
(写真)除草剤は作物と養分、水、光の獲得で競合する雑草を防除する。
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