海上輸送でコスト9割削減 青果物の呼吸管理で鮮度保持2015年11月19日
郵船ロジスティクス(株)
郵船ロジスティクス(株)は、日本の農産物の輸出促進を目的とした海上輸送を行う際、リーファーコンテナの酸素濃度をコントロールするCA化技術”Maxtend”で、従来の航空輸送に比べ9割輸送費を削減できる新しい輸送サービスを始めた。
一般的に海上輸送する際、冷却ユニットのついたリーファーコンテナ、あるいはリーファーコンテナよりも鮮度保持効果が高いとされる空気の組成を管理できる機能(CA機能)がついたCA(Controlled Atmosphere)コンテナがあるが、CAコンテナはコンテナ自体の流通量が少ないため輸送したくてもコンテナが取り回されてこずタイムリーに輸送できないなどの課題があった。
今回のMaxtendシステムは、リーファーコンテナに窒素ガスを注入し、専用機器を取り付けることで輸送中の酸素濃度の管理を行い鮮度保持効果を高めるCA化技術のことで、CAコンテナと同等の機能を発揮できる仕組み。酸素濃度を管理することで、青果物が呼吸を行い劣化することを防ぐ。例としてリンゴでは、冷蔵保管で約10分の1、CA技術では約20分の1に呼吸を抑えることができるとされている。
同システムを利用しシンガポールに輸出を行った(株)藤生の担当者は、食味、鮮度が非常に良かったとし、現地での売行きが好調だったと話した。「航空輸送は鮮度など申し分ないが、コスト的部分で高額になってしまい、現地では富裕層の客しか買えない販売価格になってしまう。同技術を利用しコスト削減を行った結果、販売価格にも差が生まれ、販売エリアの客にくまなく買ってもらえる」と話した。
Maxtendを開発したオーストラリア三菱商事と契約を締結した同社が、日本で唯一CA輸送サービスを提供できる物流企業となっている。
(写真)窒素ガス充填作業の様子、Maxtendコントローラー
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(1)2024年4月27日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(8)【防除学習帖】 第247回2024年4月27日
-
土壌診断の基礎知識(17)【今さら聞けない営農情報】第247回2024年4月27日
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「菊池水田ごぼう」が収穫最盛期を迎える JA菊池2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
【JA人事】JA北つくば(茨城県)新組合長に川津修氏(4月20日)2024年4月26日
-
野菜ソムリエが選んだ最高金賞「焼き芋」使用 イタリアンジェラートを期間限定で販売2024年4月26日
-
DJI新型農業用ドローンとアップグレード版「SmartFarmアプリ」世界で発売2024年4月26日
-
「もしもFES名古屋2024」名古屋・栄で開催 こくみん共済coop2024年4月26日
-
農水省『全国版畜産クラウド』とデータ連携 ファームノート2024年4月26日