JAの活動:米価高騰 今こそ果たす農協の役割を考える
コメの消費税ゼロで価格沈静化 備蓄米100万t買い入れを JA常陸組合長 秋山豊氏2025年7月8日
高温による品質劣化で精米歩留まりの低下と、需要増で2年間で125万tの供給不測が生じていると秋山組合長は試算する。新米の安定供給のためにJAはライスセンターの稼働を早める予定だ。コメの消費税ゼロによる価格の沈静化と転作率の緩和で100万tの備蓄米買い入れも提起している。
JA常陸組合長 秋山豊氏
米高騰の原因
今回の高騰は、異常気象、ウクライナ戦争、円安、南海トラフ地震警報等、ここ2年の間に起きた急激な環境変化に対し、農水省の米の需給予測が対応しきれず、転作を緩和できなかったこと、備蓄米の放出の機会を失ったことに起因する。
政府がコメ対策の基本とする米の作況や収穫予想量は玄米までであり、玄米から精米への歩留まりを勘案するとこの2年間で約8%、約75万t供給が不足している。需要面では、食料品の値上がりによるコメ消費へのシフト、インバウンド需要、地震警報等危機意識の高まり、大手チェーンの年間契約量の増加等により約50万t需要が増えている。合計で125万t米の絶対量が不足している。
その結果、卸業者間の相対取引価格は、昨年7月平年並みの1万5600円/60kgだったが、9月には2万2700円に跳ね上がり、その後急伸し、備蓄米80万tの放出がアナウンスされても、本年6月で2万8000円台となっており、現場では4万円/60kgの注文が東京から来ている。消費者への小売価格は、同時期2400円/5kgが9月2850円、6月4300円と1.8倍となっている。
この事態に対し政府は、備蓄米80万tを放出し、さらに関税ルートの民間輸入米約10万t、計90万tが補充されている。しかし、現実の125万tの供給不足には及んでいない。
今後の価格は、まず7年産米の転作率は2%しか緩和されていない。ここにきて転作で申請したエサ米から主食用米への転換が40万トン見込まれるが、すべては作柄次第だ。すでに6月時点で早期の梅雨明け、記録的異常高温が発生しており、カメムシの発生増加等、栽培環境は良くない。大阪での新米先物相場は、来年4月限月で2万8000円/60kgとなっており、来年まで価格高騰は続きそうである。
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今こそ果たす農協の役割
どうすれば適正な生産者米価、消費者米価を実現できるか。
(1)JA常陸が現在取り組んでいる対策
①全農家の生産意欲を維持するため、2万4000円/60kg(税込)前後の農家概算金(追加払いは1割から2割)を8月初旬に示す。JAでは、昨年、転作に全く協力しない民間業者に先行高値で集荷を奪われ30%集荷量が減少、一律500円/60kgの手数料で合計2300万円の収益が減少した。本年はJA独自に高めの概算金を8月盆前に示し集荷量を取り戻す。
②新米の乾燥・検査・出荷を可能な限り早める。特にライスセンターの稼働を1週間早める。
③生産者米価2万4000円/60kgを前提にした場合、精米にした原価は440円/kg、5kgで2200円である。これに流通経費を1250円/5kgまで引下げ、消費者価格3450円/5kg(税込)を目指す。
政府に期待する事
①消費税の米に対する免税
コメ価格高騰が収まるまで、米にかかる消費税をゼロにし、消費者米価の引下げに協力する。
②現状約35%の転作について、来年8年度の転作率を20%以上(140万t以上)緩和し、価格を鎮静化すると共に100万tの備蓄米を確保する。また、農家は種子の予約を7月から行うため、生産目標=転作目標を早期に提示する。

◯9年度以降の新政策についての要望
①余裕のある転作を継続した上で、弱体化した生産力を再建し食料安全保障を確立するため、米、麦、大豆について作物別価格補償(政策価格と市場価格差を国が補填)を導入する。
②価格補償の対象者を担い手に限定せず、作付け地の集約、換地等に取り組む組織も対象とする。
③中山間地対策、環境対策、オーガニック農業への補償を付加する。
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