2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【日本共産党】価格保障・所得補償で家族農業守る 田村貴昭衆議院議員2025年7月8日
「令和の米騒動」を受け、7月20日投開票の参議院選挙では米問題、農政についても注目が集まっている。猛暑の下の選挙戦で、各党は何を訴えるのか。与野党の代表、農政責任者に聞いた。
日本共産党 田村貴昭衆議院議員
「令和の米騒動」と農政の問題
「令和の米騒動」が起きたのは2022~23年に21万t、23~24年に44万t、合わせて65万tも米が不足したためです。
私は2024年4月、米価が高騰する状況を国会で取り上げ、米が店頭からなくなるのではないかと質問しましたが、政府はそういうことはないと言いました。スーパー店頭から米が消えても備蓄米を出さず、25年2月になってからようやく放出しました。それでも、未だに米不足を認めようとしません。
江藤前大臣の時の入札と小泉大臣の随意契約を合わせ約81万tの備蓄米が放出されました。テレビは「古古古米が並んで買えた」と喜ぶ人を映していますが、まだまだ行き渡っているとはいえません。
減反、生産調整を通じて、農家に「米を作るな」と言い続けてきた自公農政のツケが米不足だったのです。
米は日本の主食ですから、余裕を持って増産すべきです。石破茂首相も「増産に転換する」と言い出しましたが、単に増産するだけでは再び米価が下がる恐れもあります。政府が価格保障と所得補償に責任を持たないと解決しません。
ところが自公政権は、旧民主党政権下で導入された所得補償を最初は半減、その後廃止し、農家から1500億円の所得を奪いました。そうした農政の結果、生産基盤が崩壊していったのです。
参院選での農政公約の柱
米は、需要ぎりぎりではなく余裕をもって生産し、国が十分に備蓄し、生産コストを上回る価格を保障しつつ、農家の所得も補償する政策が必要です。 現在は100万tとされている(81万t放出したので、あまり残っていませんが)政府備蓄は、200万tまで増やすべきです。価格保障と所得補償も、国の責任で実施します。玄米60kg2万円から2万数千円あれば、米作りは続けられます。
小松泰信先生がJAcomに書いていましたが、全農とっとりでは概算金を「生産費払い」とし25年産米では60kg2.2万円とします。農家の時給は1500円程度になるそうです。JAがここまで努力しているのですから、国ももっと努力し、営農を後押しないといけません。
農地の4割は中山間地ですし、農家の大半が家族農業です。所得補償でしっかり支えてこそ、後継者も出てきます。
防衛費がケタ外れに増やされる反面、社会保障費も農業予算も抑制されてきました。農業予算をあと1兆円増やしたい。それも、建設会社や農機メーカーにではなく、農家自身に落ちる真水の部分が重要です。
金さえ払えば、食料はいくらでも輸入できる時代は終わりました。政府は、大規模化とスマート農業で生産性を向上し輸出を伸ばすと言いますが、国内でできる農畜産物は国内で生産し、自給率をまず50%に高めていくことこそ急務です。
JAグループへの期待と注文
国会でも決議を上げましたが、今年は国際協同組合年です。協同組合はもうけを追求する会社とは違う相互扶助の組織です。特にJAは、生産者が助け合い、国民の食を支えている大事な組織です。
JAの解体や株式会社化には反対です。米を、委託販売(概算金)にするか買取販売にするかという話がありましたが、JAによる委託販売は安定供給に役割を果たしてきました。大臣はあれこれいう前に、まず現場の意見を聞くべきです。
JAの側は、もっと政府に注文してはどうかと思います。
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