2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【立憲民主党】「食農支払」で農地と農業者を守る 野田佳彦代表(衆議院議員)2025年7月8日
「令和の米騒動」を受け、7月20日投開票の参議院選挙では米問題、農政についても注目が集まっている。猛暑の下の選挙戦で、各党は何を訴えるのか。与野党の代表、農政責任者に聞いた。
立憲民主党 野田佳彦代表
「令和の米騒動」と農政の問題
いわゆる「令和の米騒動」の原因は政府もまだよくわかっていないのではないですか。
先日、衆議院農水委員会でも質問しましたが、米不足だったのか流通の問題だったのかといった時に、「よく検証しなければ」という話で、その後検証のために閣僚会議ができました。本当は、ことの本質を踏まえてから問題解決にあたるんですけど、(小泉農相は)きちっとした認識をしないままに走り出した感があります。
いずれにしても「令和の米騒動」になったというのは、これまでの農政の失敗でしょう。在庫がどのくらいあるかも含めしっかり把握できなかったし、チェックする農水省の人員も少なかった。いろいろなひずみが一度に出てきたと思います。
米の値段が去年に倍になり慌てて対応したのが、備蓄米の随意契約による放出でした。よく練った話ではなく、えいやっという感じで進めたと思うんですね。「備蓄制度とはいったい何だったのか」というそもそも論も真剣に考えなければいけませんし、あまり備蓄米が少なくなって輸入に頼るという話まで出てきました。(小泉農相は)「スピード感」と言ってましたけど、「行き当たりばったり感」の方が強いのではと思います。
参院選での農政公約の柱
食料安全保障を確立していくためには、農地と農業者の減少に歯止めをかけなければなりません。そこで農地に着目した直接支払制度として「食農支払制度」を提案します。これは、かつての戸別所得補償を、農地に着目してバージョンアップしたものです。
ピーク時の農水予算は1982年の3兆7000億円でした。防衛費は右肩上がりに増えていますが、食料安全保障を支える農水予算は今、2兆2~3000億円です。「食農支払制度」には総額1兆2000億円ほどかかりますが、これは減額分を戻すだけのことです。農業者に直接届き、農業者の生業を支えることで農地を維持する大事な改革です。
価格は基本、マーケットで決まります。一方で農家所得は政策マターとして引き取っていく。それによって、安心して生業を続けることができるのだと思います。
備蓄米についても、(政府は)「米価が上がっているから放出する」というやり方ですが、米価が下がったらどうするか。買うという方法もあります。そうした食糧法の改正もわれわれは考えています。価格の高騰にも急落にも対応できるような制度設計が必要でしょう。
1999年と2023年を比べると、基幹的農業従事者は半減しています。このままでは大変なことになるので、新規就農支援の予算を10倍にし、対象の年齢も49歳以下から65歳以下に引き上げます。都市部のサラリーマンだった人で農業したいという人はたくさんいますし、元気な50代、60代もたくさんいます。潜在的な就農希望者は多いので、思い切って支援を強化します。工夫の余地はさまざまあります。
輸出を戦略的に考えていくこともあると思いますが、「輸出ありき」ではなく、国内での需要にきちっと対応できる農業を作ることが基本中の基本です。
JAグループへの期待と注文
私もJAいちかわにはいつもお世話になっています。農業者の相互扶助組織で、地域インフラとなり、生産者と消費者とを結ぶ重要な役割を果たしています。その役割は、今後ますます大きくなるでしょう。協同組合の活動は、もっと日本の中でしっかり位置づけ、後押ししていかなければなりません。
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