参院決算委決議 規制会議に是正改善要求2017年6月7日
参議院決算委員会は6月5日、政府の規制改革推進会議の運営についての措置要求を決議した。決議は全会一致で採択。与党議員も含め政府の政策決定に対し国会として是正改善を求めた。
今国会で参議院決算委員会は3月末から毎週月曜日に開かれてきた。5日の決算委員会では政府に対するこれまで質疑をふまえ、「内閣に対する警告」(警告決議)と「措置要求決議」、「会計検査院への検査要請」を決議した。
規制改革推進会議の運営に対する決議は10項目の議決事項の1つで「規制改革推進会議による各府省等設置の審議会等における検討状況の把握について」。
このなかで規制改革推進会議が各省庁の政策に意見を述べているが、農水省の食料・農業農村政策審議会をはじめとする各省設置の審議会などの議論を十分に把握したうえでの意見になっていないとの懸念を指摘した。そのうえで規制改革推進会議に対して審議会で関連する議論が行われている場合は、十分に把握して審議すべきだと改善を求めた。
「措置要求決議」とは行政の制度や事業実施の枠組みなどが、不正や無駄の原因になっている場合に、政府に対して是正措置を求めるもの。
決算委員会では山田俊男参議院議員が規制改革推進会議のあり方と、同会議による農協改革などの提言内容についての問題点を3回の質疑で取り上げた。
◆国会の役割発揮を
とくに規制改革推進会議は農業・農協改革をめぐって頻繁に開催されているが、農水省の審議会等がまったく開催されていないことを指摘した。第2次安倍政権が発足した平成24年12月以降の4年半の間に審議会は4回しか開かれていない。農水省の審議会委員には農業政策に関する専門知識を持つ学識者、農業者や農業団体・消費者団体のメンバー、地方代表などが選ばれている。こうした審議会での議論を行わず、現場を知らない「素人」を自認する委員が農業・農協攻撃ともいえる極端な意見を提出してきた。山田議員もこの点について決算委員会で質疑。意見を求められた麻生財務大臣は高齢化等の深刻な問題が進む農業現場の将来に向けて、実態にそくした農水省等の審議会での議論の必要性を指摘した。
今回の決議は規制改革推進会議の委員のあり方や議論の内容そのものを問題としているわけではなく、各省庁設置の審議会の意見を把握するよう求めたものだが、官邸主導の政策決定のあり方に一石を投じる国会の役割に現場は今後を注目する。 決議について山本農相は6日の定例会見で「謙虚に対応していきたい。誠心誠意対応していきたい」と述べた。
措置要求決議ではほかに国家戦略特区制度の運用についても取り上げた。特区について内閣主導で規制を緩和するため、事業主体の選定理由や経緯など、透明性・公正性が確保されなければ国民の疑念が生じるとして、政府は透明性等の検証と今後の事業についても常時点検すべきことを求めた。決議では適切な措置を政府が講じてそれを同委員会に報告すべきだとしている。
なお、「内閣に対する警告」は政府が行った不当・不適正な事象や非効率な予算執行に対して警告するもの。本会議にも付議されるもので、東日本大震災の復旧工事などをめぐる入札談合などについて警告した。
【措置要求決議】
内閣及び最高裁判所は、本会議をふまえ、適切な措置を講じ、その結果を参議院決算委員会に報告すべきである。(1~2、4~10は略)
3 規制改革推進会議による各府省等設置の審議会等における検討状況の把握について
政府は、内閣総理大臣の諮問に応じ、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制の在り方の改革に関する調査を行う規制改革推進会議を内閣府に設置している。同会議は、各府省等における規制について、各般にわたる意見を述べているが、各府省等に設置された審議会等での提言や議論を十分に把握した上で検討、提言する運営になっていないとの懸念もある。
政府は、規制改革推進会議を運営するに当たり、各府省等の審議会等で関連する議論が行われている場合には、これを十分に把握して審議すべきである。
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