都心の屋上農園「白鶴銀座天空農園」2024年産酒米も無事収穫 白鶴酒造2024年12月9日
白鶴酒造は10月30日、東京支社屋上の農園「白鶴銀座天空農園」で自社開発酒米「白鶴錦」の稲刈りを無事終了。同13日に穀物検査を受け、今年は初期の生育不良でありながら3等と評価された。収穫した銀座産「白鶴錦」で仕込んだ日本酒は、2025年6月頃に数量限定・銀座の一部店舗限定で発売予定。

白鶴銀座天空農園で10月30日に行われた稲刈り(東京・銀座)
白鶴銀座天空農園は、銀座から日本酒文化の情報発信するため、2007年に立ち上げられたプロジェクト。東京支社(中央区銀座)屋上で自社開発酒米「白鶴錦」を栽培しながら、屋上緑化、食育、日本酒文化の情報を発信している。当初は、大都会のビルの屋上でのお米の栽培は難しいという声があったが、プランターでの栽培が成功し、2008 年には田圃を造成。毎年、米の品質向上に取り組み、2013年からは白鶴銀座天空農園で収穫した「白鶴錦」のみで仕込んだ商品を数量・販売店限定で発売している。

5月24日の田植え
今年は5月24日に社員を中心に手作業で田植えを実施。日照時間を最大限活用し、酒米の品質向上と収量アップを目標として、2023年に続き田植え時期を少し早めた。田植えはスムーズに終わりましたが、稲が定着する前から、豪雨に打ち付けられたり梅雨前線の影響による雨が続いたりと厳しい環境にあり、心配事が多い日が続く格闘の毎日だった。
その後、6月後半は梅雨入り前から刺すような日差しと夏のような気温が続いたが、例年より葉が立ち上がるのに時間がかかるなど、のんびりと生長。田んぼによってはうまく育たず、新しい苗に入れ替えや補植するなど稲の生育に良い環境を作るため、試行錯誤したおかげもあり、少しずつ茎も増えしっかりするなど生長が見えた。

:全体的に生長が遅く不安だった6月後半から7月
記録が残る中で最も暑い7月となり、日照時間も多く、生育のいい田んぼでは1か月で30センチも伸びすっかり水面が見えない程に。1週間ほど水を抜き土を乾かす「中干し」を行った。また、暑さで水の蒸発が早く、水量の管理には気を使った。
8月も過酷な暑さが続き、毎日の田んぼの巡回はとても厳しいものだったが、稲にとっては恵みの夏となった。お盆明け以降急激な生長が見られ、遅れていた田んぼでは1か月の間に40センチ近くも伸び、通常の田んぼと遜色ないほどに。猛暑に台風にと天候は目まぐるしく変化したが、田植えから92日目の8月23日、穂と稲の花を確認した。
9月に入ってからも猛暑が続き、稲の茎はどんどん太くなり、次々と出穂。台風の直撃はなかったが、風が強い日が多く、ビル風の影響を受け稲の倒伏が心配されたが、防鳥ネットやロープを張り対策して乗り切った。

出穂した稲(左)を守るため防鳥ネットやロープを張り対策(中央)
季節はずれの暑さが続いた10月に、稲穂はぎっしり実を付けた。今年は初期の生育不良が起こり、全体的にゆっくりの生長となったが、10月30日に無事稲刈りを迎えた。
場所により成長の具合にだいぶばらつきが出たこともあり、収量は籾付きで42.1kg(2023年46.5kg)と少し減少したが、粒も大きく立派な実を付け、11月13日のパールライスでの穀物検査では、3等と評価された。
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