【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岡山県2025年8月7日
岡山県病害虫防除所は、斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ等)が出穂期以降の水稲に県内全域で多発のおそれがあるとして、8月6日に令和7年度病害虫発生予察注意報第1号を発表した。
岡山県病害虫防除所によると、7月下旬の牧草地のすくい取り調査(20回振り/ほ場)で、アカスジカスミカメは128.5頭で平年(58.3頭)の2.2倍、イネホソミドリカスミカメは11.6頭で平年(3.9頭)の2.9倍と多い。また、8月上旬の牧草地のすくい取り調査によると、アカスジカスミカメは413.4頭(前回7月下旬調査の3.2倍)、イネホソミドリカスミカメは53.2頭(同4.6倍)と依然高いレベルにある。
広島地方気象台が7月31日に発表した季節予報によると、向こう1か月の気温は平年より高く、降水量はほぼ平年並。気温が高いと本虫の加害や増殖に好適な条件となる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)斑点米カメムシ類にとってイネ科植物の穂は餌であり、産卵場所でもあるため、水田畦畔及び周辺の草刈りを徹底する。ただし、穂の付いたイネ科植物を水稲の出穂2週間前から3週間後の間に除去すると、斑点米カメムシ類を水田に追いやり、被害を助長することになるので避ける。
(2)斑点米カメムシ類の防除は2回必要とされており、主要発生種がアカスジカスミカメ、イネホソミドリカスミカメである場合は以下の防除時期となる。
1回目の防除:穂揃期(ほ場全体の80~90%が出穂した状態)
2回目の防除:1回目の防除から7日後
注)ホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、トゲシラホシカメムシ、シラホシカメムシなどが主要発生種である場合、1回目の防除は穂揃期の3~7日後(乳熟初期)、2回目の防除は1回目の防除から7日後。
主要発生種がいずれの場合も、その後の発生が多ければ、3回目の防除を2回目の防除から7日後に行う。
イネカメムシが主要種である場合、1回目の防除は出穂期直後、2回目の防除は1回目の防除から7~10日後。
(3)休耕田でイネ科植物が繁茂している場合は、休耕田のカメムシ類を対象とした薬剤防除を行うこともできる。
(4)水稲のカメムシ類防除に使用する主な薬剤は、表のとおり。農薬を使用する前には必ず農薬ラベルの記載内容を確認する。薬剤防除は農薬使用基準を厳守し、人畜、生活環境動植物等への被害防止に努め、安全・適正に使用するとともに、周辺農作物等へ飛散しないよう十分注意を。水田に農薬を散布した後は、少なくとも7日間は落水・かけ流しをしないようにする。
◎防除上の参考事項
(1)極早生品種、早生品種栽培地帯では出穂期~穂揃期に斑点米カメムシ類の発生が多くなり、被害が出やすい。
(提供:岡山県病害虫防除所)
(2)周辺より出穂の早い水田では集中的に飛来してくる傾向があるので防除の徹底を図る。
(3)斑点米カメムシ類は、山間棚田、山寄りの水田、イネ科雑草繁茂地の周辺の水田で発生が多い。
(4)出穂直後から20日後までを加害時期とするアカスジカスミカメ及びイネホソミドリカスミカメは、淡緑色を帯びており、体長が5~6mm程度と小さく肉眼で確認しにくいため、本田での発生の把握には捕虫網によるすくい取り調査が必要。
(5)出穂直後から収穫期までの全期間を加害時期とするホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、トゲシラホシカメムシ、シラホシカメムシは、前者の2種が体長10~17mm程度と大きいこと、後者の2種が体長5~7mm程度と小さいものの灰褐色~黒色で見分けやすいことから、本田での発生が肉眼で確認できる。
(6)斑点米カメムシ類の発生は、本田の畦畔近く(本田の周縁部)で多く、中央部で少ないとされており、発生密度に偏りがある。よって、すくい取り調査や肉眼による観察は本田の畦畔近くで行う。
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