茨城コシヒカリ1等2万8500円で成約【熊野孝文・米マーケット情報】2025年11月25日
先週末都内のホテルで関東近県の業者が参集して情報交換会と席上取引会が開催された。席上取引会では、はじめに茨城コシヒカリが1等、2等、3等と等級別に売り物が出たが、買い声が上がらず、引取期限を年明け2月にすることを条件に1等が2万8500円で成約した。この他、埼玉の彩のきずなやつきあかりも2万5800円~2万6000円で成約した。市中相場は急激に値下がりしており、多くの産地銘柄が3万円を割り込んでいる。11月27日にはクリスタルライスの取引会が開催されるが、参加予定の卸は「以前は取引会が開催されるたびに値上がりしていたが、これからは取引会が開催されるたびに値下がりするだろう」と予想している。

取引会が開催される前の情報交換会では、産地業者から集荷状況について「集まり過ぎて買いストップしている」と言う業者や早めに換金すべく市中相場の下を潜って売り逃げに入っているがそれでも売れないと言った業者もいるなど新米の荷余りによる深刻な情勢が伝えられた。
一方、消費地での情報では大手量販店は精米の値下げをしていないが、中小量販店やディスカウントショップでは安売り合戦が始まっているなどの情報が紹介されるなど価格動向に話題が集中した。
出席業者の主な情報は以下の通り。
茨城=地元のJAは最初2万6000円を生産者に提示していたが、あっという間に3万円超えを提示、対抗上集荷価格を引き上げた。その結果、今は身動きが出来ない状況になっている。国の方針がわずかの間にガラッと変わるのでどう対処したら良いのかわからない。
埼玉=11月15日を集荷の締め切り日にしていたが生産者が次々に持ち込んできたので受け入れていたら昨年の3倍以上の集荷量になった。集荷の平均単価が高くなったので心配になっている。大手が値下げしないうちに在庫整理したい。
東京=このまま主食用が値下がりすると来年は主食用より加工用米の方が手取りが良いということになるかもしれない。その前に備蓄米がどうなるのか気になっている。買戻しの話が具体化するとどうなるのかわからないので教えて欲しい。
茨城=コシヒカリを中心に大量に在庫している。相場の下を潜っても売れない。くず米、もち米もすごい値下がりだ。もち米は5000円も下げた。くず米も無選で売りたい人が増えたが売れない。くず米も2桁でないと買わない。外国産もちはSBSでタイがkg260円ぐらいで手に入るが米菓メーカーは袋の表示を変えなくてはいけないので簡単には外もちを買うというわけにはいかない。手持ちの加工用もち米を使いながら下がるのを待つしかないというところ。
埼玉=コイン精米機の稼働率が大変良い。良すぎて機械が壊れた。大手量販店は精米を値下げしていないが、中小スーパーは3000円台で売り始めた。
茨城=農家は新規で農機具を買い替えているが注文してから2年待ちの状態。コメ価格急騰は農家にとっては良かったが、問題は我々だ。
神奈川=A社やR社、O社はどんどん精米価格を引き下げている。これが基準になり始めており、納入業者は全農玉を後回しにして安い民間玉を拾っている。
千葉=来年の種もみの注文が増えている。もち米は種もみ不足の感もある。
茨城=奈良でくず米の入札会があったがkg150円程度で西日本の業者も高値は追わない。6年産が欲しいとオーダーが来る。
福島=備蓄米のオーダーがまだあり、この精米作業もしなければならない。ボランタリーチェーンの入れ値は5キロ栃木コシヒカリ2980円、新潟コシヒカリ3480円と言うのもあった。崩れが起きている。業務用も同様の傾向だ。
埼玉=集荷はJAにも迷惑をかけないように取り組んでいる。備蓄米はまだ700tあり来年2月までかかる。
千葉=農家からの持ち込みが多くなっており、値下げ交渉をしている最中。精米販売は値下げしたのでようやく上向いてきた。
東京=外食店との値上げ交渉でようやく通ったと思ったら他から安値を打診するところが入ってきた。
神奈川=6年産米をいやと言うほど持っている。7年産は赤字でも出す。残る方がリスク。値上げしたらますます客離れを起こす。
以上のような情報提供がなされたが、量販店の精米販売価格は大手量販店でもブレンド米を5キロ3580円~3680円で販売し始めたところがあるなど安値の精米が棚に並び始めている。業者の関心が高い政府備蓄米の買入については、8年産米の通常入札を年明け1月から21万t行うという以外は買い戻し条件付きの備蓄米や随意契約の備蓄米の買入をどうするのかは具体的な内容は農水省から示されていない。今週にも与党から建議と言う形で要請されることになると予想されるが、見積もり合わせにしろ競争入札にしろ価格水準や量を含めて極めて難しい判断を迫られることになる。
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