独自開発「長持ちピンク」で害獣対策 畑や木を守る「識別テープ」新発売2021年2月22日
紙袋用取っ手の国内トップメーカーの松浦産業(香川県善通寺市)は3月5日、畑や木などをシカやイノシシから守る害獣対策テープ「来るなら濃いピンクテープ」を発売。害獣が嫌がるピンク色が鮮やかに持続する“長持ちピンク”を独自開発した。

農林水産省農村振興局がまとめた鳥獣被害の現状と対策によると、令和元年度の野生鳥獣による農作物の被害額は158億円に上り、そのうち約7割をシカ、イノシシ、サルによる被害が占めている。さらに、害獣被害は営農意欲の減退、耕作放棄地の増加等をもたらし、被害額として数字に現れる以上に農山漁村に深刻な影響を及ぼしているといわれている。
来るなら濃いピンクテープ公的機関で捕獲などの策は講じられているが、自営のため柵や網などの侵入防止対策と併せて効果的なのがピンク色のテープで、ピンクの色自体と、風などで揺れる音を害獣が嫌がるといわれている。その際、運動会の応援用のポンポンに使わる「レコード巻」と呼ばれるテープが、防獣用に「識別テープ」という名称でも販売され、害獣から守るテープとして使われているが、野外にさらされてすぐに色褪せて効果が薄れることが多く、人手不足や高齢化などの地域では、テープの交換作業にも苦慮しているという現状もあった。
1966年からプラスチックのテープを製造する同社は、1996年に業界初のエコマークを取得。2004年からユニチカの依頼を受けて樹木の剥皮害防止用として、トウモロコシを原料にした業界初の生分解のテープ(リンロンテープ)を製造している。クマやシカに樹木が噛みつかれたり引っかかれたするのを予防するテープで、地面に落ちることによってゴミとなってしまう問題もあったため、生分解で土にかえるようにしたことで撤去作業も不要になる。
「来るなら濃いピンクテープ」は、同社が長年携わっていたテープで害獣の悩みを手助けしようと開発。コストを抑えるため極力少ない顔料の量でいかに鮮やか濃く長持ちする色を出すか、いろいろな顔料メーカーを比較し添加剤などの配合を工夫し、ピンクが色褪せしにくく効果が長持ちする農作物を守る害獣対策テープが誕生した。商品名には「(害獣よ)来るなら来い!」と「(害獣が)来るなら濃いピンク」を掛け合わせた気合を込めたネーミングを採用した。
「来るなら濃いピンクテープ」は、50㎜×200mで1200円(税込)。楽天と全国のホームセンター、カタログ通販などで販売。
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