(200)アタマと身体のバランス【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2020年10月2日
2016年10月に始めたこのコラムも今回で200回目です。思い浮かぶ内容や考えている事を、チェックや査読などを経ず、好きに書く機会を与えて頂いたことに深く感謝致します。回を重ねる途中で私も還暦を迎えました。それでも1~2年前から少しずつ新しいことを始め、この先どれだけあるかわからない時間に備えようと思っています。最近はアタマと身体のバランスについてよく考えます。
* * *
先日、人間ドックを受けてきた。ここに至るにはいくつかの過程がある。恐らくは小中学校の頃の古傷、そして高校時代の運動、様々な影響により私の腰はガラスになっていたようだ。20代後半の年末のある日、先輩と飲んだ翌朝、激痛に見舞われた。何とかごまかしたが、正月早々さらに酷い激痛に襲われ、全く動けなくなった。
いわゆるぎっくり腰かと思ったが事態は予想以上に悪く、入院手配をしてくれた先生は前から切るか、後ろから切るか...と真面目に話され(そういう時代だった)、最低半年くらいの入院と言われたことを良く覚えている。それでも担当医が話のわかる大先輩であり、「通院+マッサージ」で何とか乗り切った。腰は後年、福岡で再発して1週間ほど休んだが、その後、ヤバそうな時は早めに寝ることで今でも何とか共存している。
さて、「ガラスの腰」以外には近眼と虫歯くらいしか問題がなかった30代後半、健康診断のたびにすこしずつ肝機能に星印が付き始めた。酒豪ばかりの職場である。星印が3~5くらいに増えたところで海外駐在となり深酒からは自由を得たが、一方で油が多い食事に囲まれ、別の意味で要注意事項が増えてきた。
その後も何か問題が生じる度に定期的な運動を始めては止め...を繰り返していたが、ここ数年は可能な限り、毎日のウォーキング(8000~1万歩)を確実にこなすよう努めている。さらにコロナ下の今年は、他人との接触を避け、10年モノの自転車を取り出して再整備し、太平洋を見に片道10kmほどを毎週走っている。閖上の朝市で朝食を食べるのもささやかな楽しみだ。
さて、人間が人間である所以は脳が高度に発達した点にあるというのは良く知られている。進化において高次の機能を担う部分は後天的かつかなり後から発達したようだ。極度のストレスだけでなく、喜怒哀楽や漠然とした不安などの感情は、脳の様々な働きだ。もしかすると現代社会の多くの問題は脳内だけの問題なのかもしれない。意識が切り替わると見えるモノが変わるというのもあながちウソではないだろう。
良し悪しはともかくアタマだけを使う仕事をしていると、どうしても身体とのバランスが悪くなる。遠隔授業・遠隔会議が続く場合、気が付けば終日イスに座っている。これではアタマと身体のバランスが崩れて当然である。教員も学生も疲弊する。意識して身体を動かす時間を作る必要がある。
アタマだけを使う生活は、ヒトという生物全体の大きな進化の流れの中で俯瞰すると、大元となる身体を意識せずに末端だけに対し「ああだこうだ」と言うようなものだ。家に例えれば、土台や柱、壁などがしっかりしていないのに、次から次へと綺麗な調度品を揃えているのに等しい。それでは長続きしないし、全体としてチグハグなものになる。
そのようなことを考え、最近は可能な限り歩くか、自然の中にいる時間を増やすか、身体を伸ばすか(ディスプレイに向かっていると自然に前かがみになる)、意識して一人の時間、何も考えない時間を日に15分程度は作るようにしている。
* * *
「健全な精神は健全な肉体に宿る。英語ではa healthy mind in a healthy bodyですが、ラテン語だとmens sana in corpore sanoであり、古代ローマの詩人Juvenalisの言葉のようです。最初のmens(英語のmind)を、より躍動感のあるanimaに変更して頭文字を読むと、日本が誇る某スポーツ用品メーカーですね。コロナ下では非常に重く響く言葉です。一日も早く健全な日々が戻ることを願います。
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三石誠司・宮城大学教授のコラム【グローバルとローカル:世界は今】
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