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【米農家の声】生産者米価2.2万円保障を 秋山豊JA常陸組合長2025年6月9日

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生産者米価は60キロ2万2000円必要で、精米5キロの小売価格では3400円台になる。6月5日、国会内で開かれた「今こそ日本の食と農を守ろう緊急集会」でJA常陸の秋山豊組合長が、生産調整の実際や米農家の規模別生産費をもとに報告した。

「令和の米騒動」の実情と適正米価について報告するJA常陸の秋山豊組合長(6月5日、参議院議員会館)「令和の米騒動」の実情と適正米価について報告するJA常陸の秋山豊組合長(6月5日、参議院議員会館)

●転作面積が農家ごとに数字で
農家は現在転作をしている。うちの市では田んぼの35%で麦や大豆を作っている。国は転作目標を示さない。必要な需要量、供給量を示し、茨城県に期待する生産量を示す。すると茨城県の水田再生協議会が市町村ごとに期待する生産量を示す。すると市の再生協議会が「秋山さんは4トン作ってください。田んぼが4.5トンできる面積ありますから0.5トン分転作してください」とはっきり〝数字〟が来る。最近では水活、水田活用ともいわれるが、減反が(実質的には)まだ続いている。

●米不足なのに1%の緩和でいいか
市の再生協議会で私は「米の需要が毎年10万トン減っているから米価を下げないために転作に協力してください。しかし米がこんなに足りなくて価格が上がっているのに(転作の)1%の緩和でいいんでしょうか」とあいさつした。県の職員は黙って下を向いていた。

●生産調整をやめれば米価暴落の恐れ
政府が全部作ってもいいというと生産は34%増え、米は暴落する。
生産者米価は2021年で(60キロ)1万100円。それが24年産は2万4000円になった。5キロ精米の原価に換算すると2300円しか農家はもらっていない。(消費者が買う小売価格の)約半分。農家からみると決して高くないという論法もある。

●スポット価格が60キロ4万円台に
JA、全農の手数料から卸、小売りのもろもろ入れて5キロで1000円くらいかかる。だから原価が5キロ2300円なら3300円くらいが妥当な精米価格だが、今1000円くらい高い。去年の9~10月あたりから米がなくなり、(売りに)出てきた米をみんなで買うものだから価格が高くなる。外食大手やコンビニは翌年8月分まで(出来秋の)9月に契約し、1年間分抑える。そこで9~10月で5~6割の米は契約される。残る4割を業者間で売買する価格が9月で2.5万円だったが4万円に上がった。今浮いて(流通して)いる米はほとんどない。

【米農家の声】生産者米価2.2万円保障を 秋山豊JA常陸組合長

●猛暑で歩留まり低下、対応も後手後手
価格高騰の一因は異常高温障害だ。一昨年、出穂期の8月に猛暑が続き、実入りが悪く乳白米も増え1等米が5割になった。新潟はもっと低かった。昨年も猛暑だった。農水省の作況は一昨年も昨年も101だったが、「平年作なんてありえない」とみんな言っている。農水省の作況は坪刈りした玄米を調べているが、精米の歩留まり率は5年産で83.8%だった。普通は9割なので、そこで約6%出回り量が減る。

その「平年作」という判断にもとづいて翌年の減反を決定する。需要の方も、去年の8月、スーパーの棚から米が消えた。政府は「新米が出れば大丈夫」と行って備蓄米を出さなかったが、あの判断がまずかった。

●26年秋まで高止まりの公算
私の試算では、6月末で(民間在庫は)62万トンしか米がない。7、8月、9月頭までしのぐには全然足りない。国が放出する60万トンを足しても120万トン。3ヵ月分にはまだ足りない。関税を1キロ341円払っても輸入米が入ってきている。(大手商社)兼松は「5キロ3500円を超える米価だったら輸入を続ける」という。

8月に政府備蓄米が出回って9月から大手の買い付けが始まる。新米の現場の買い付けが今、60キロ2万5、6000円で動いていて、私どもの思い切って値段を出そうとやっていて、申し訳ないが来年の6,7月、9月まで米価はあまり下がらないだろうという状況がある。

●再生産維持には5キロ「3400円台」必要
1俵(60キロ)当たりの生産費を調査すると、1ヘクタール未満の農家が53%いて、作付けは11%まで減った。この農家の生産費が2万4219円。この価格を出せば全農家が生き残れる。でも精米小売り価格は5キロ3420円(税抜き)、税込みで3700円になる。

これでは輸入米が入ってくるし、消費者の希望は3000円台前半という。2000円台の方がいいでしょうけど、生産者のことを考えれば3000円台前半までは我慢できるということだろう。米価2万4000円だと3500円を超えてしまうから、もう少し低めでいいんじゃないか。生産者米価2万2000円(税抜き)、消費者の米価が3220円(税抜き)、税込みで3400円台ではないか。政府の政策がこの水準をどう実現するかのポイントを握っている。

●生産調整か所得補償か―米政策の分岐点
これまでのように転作をして、政府備蓄米を使ってこの値段を維持するというやり方か。転作をやめて水田で主食用を全部作れば、米価が8000円くらいになる。生産者の所得を10アール当たり5万円とか補償して米作りを続けてもらう。米政策は今年の秋まで旧制度で次の年に新制度に入るんで、大論議になると思う。

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