シンとんぼ(172)食料・農業・農村基本計画(14)新たなリスクへの対応2025年12月13日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。
その一環でシンとんぼでは、大本の法律である食料・農業・農村基本法(2024年6月改正)の条文の理解を深め、シンとんぼなりに基本法をしっかりと学べたのではないかと思っている。
現在、同法の理念を実現する具体的な内容を記した(であろう)2025年4月11日に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」(以降、「基本計画」)の詳細を検討しながら、基本法の理念がどのように反映され、どうやって実現しようとしているのか等を検証し、農業現場で何がなされなければならないのか探ろうとしている。
今回は「第2部 食料安全保障の動向」の最後にあたる「3 新たなリスクへの対応」について紹介する。
第2部では食料安全保障の動向では、日本が食料を確保するには輸出国の生産状況や政治状況に伴うシーレーンの状況など自国ではコントロールできない大きなリスクを抱えながら行わなければならないことが示されていた。第2部の最後にこれら以外の注意しなければならないリスクが示されており、次のように書かれている。
「世界の食料安全保障の動向を把握するに当たっては、上記以外にも、国際的な食料の需給・貿易に影響を与え得る新たなリスクや事項に関して、幅広く動向を注視すべきである。例えば、2022 年2月に始まった、ロシアによるウクライナ侵略のような地政学的なリスクに関しては、世界の食料貿易市場における主要輸出国(特に我が国の輸入相手国)において生産量・輸出量が大きく変動するおそれがないか、国際的な物流や農作物の国際価格にどのような影響を与えるか、といった観点で注視することが重要である。また、食料・農業分野における人権・環境に関する意識の高まりについても留意しておく必要がある。特に欧米諸国において、企業における人権・環境デューデリジェンスの実施を重視する議論が見られることなどから、今後、我が国の食料等の調達に関しても、人権・環境に対する一層の対応を行うことが求められる。さらに、新型コロナウイルス感染症のような未知のリスク要因が今後発生する可能性は否定できないことにも留意が必要である。」
つまり、日本の食料輸入は、海外での作況、船舶輸送の状況だけでなく、戦争の勃発、人権問題や感染症の発生など自国ではどうにもならないリスクが幾層も存在するということである。これらのリスクに対抗するための方策づくりが待った無しの状況であるので、基本計画にどのような対策が盛り込まれているのかを、現場で何ができるのかも含めて検証していきたい。
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