農政:GREEN×EXPOのキーパーソン
【GREEN×EXPOのキーパーソン】グリーンを活用したイノベーションへ 東邦レオ・小山田哉氏2026年2月12日
2027年国際園芸博覧会関係者のインタビューシリーズ第2段は東邦レオ。同社のグリーンテックプロジェクトリーダーでGREEN×EXPO2027推進室推進リーダーでもある小山田哉氏に聞いた。
グリーンテックプロジェクトリーダー/GREEN×EXPO2027推進室推進リーダーの小山田哉氏
協会と出展者とのパイプ役に
当社はグリーンを活用した街づくりに力を入れてきたので、それをアップデートさせていくものと考え、GREEN×EXPOへの出展を決めました。100人規模の中小企業なので、柔軟に動くことができ、経営トップの意思判断も早いのが持ち味なので、博覧会協会と出展者との間のパイプ役、潤滑剤的な役割もできると考えています。共創もテーマなので、国際園芸博協会に出向し、ともに作り上げていく、同じ方向のベクトルを向くような形にしたいと思っています。
ランドスケープに特化した出展企業は他にないので、企業の枠を超えて景観を作り、ビレッジゾーン全体が一体的になる取り組みを考えています。出展する鹿島建設、竹中グループ、大和ハウス工業、住友林業との「5社共創会議」で、各社が集っているエリアの通りをいかに盛り上げるか議論を重ねています。各社の集客にもメリットがあり、取り組み自体がGREEN×EXPO全体の価値になると考えています。
東邦レオのビッレッジ出展のイメージ
認め合い、寛容な心を育む
当社のプロジェクトの一つは、パナソニックグループの大阪・関西万博で使用されたパビリオンを、建築家・永山祐子さんの設計でリユースする取り組みです。GREEN×EXPOのコンセプトでもあるサーキュラーエコノミー(循環経済)を体験できます。
もう一つが、「やさしくなりたい」というプロジェクト。大阪・関西万博でEARTH MARTをプロデュースされた小山薫堂さんが2015年に始めたもので、ギスギスした社会の中で互いを認め合い、寛容な心を育むような社会をつくっていくことを目的としています。10年を経て改めて重要性が認識され、雑誌『アエラ』でもプロジェクトが立ち上がり、小山さんがスペシャルオーガナイザーとして参加しています。この世界観が私たちのビレッジのコンセプトとも相性が良く、名称も「やさしくなりたい。STUDIO」と決まり、SNSも立ち上げています。
企業とのコラボレーション型で、ビレッジを活期間限定などで使ってもらうことも考えています。優しさやウェルビーイングは、企業の人的資本経営やブランドイメージ向上にもつながり、グリーンが欠かせません。会期前からファンを増やしていく仕掛けも進めます。
企業コラボでグリーン化を
私たちが考えるグリーンは、植物だけではなく、思いやりや優しさ、サステナビリティといった広義の価値です。園芸や緑だけに絞るとイノベーションも生まれにくくなる。むしろ、鉄鋼や金属など従来はグリーンとは異なる印象で見られてきた企業が、ビレッジを通じてグリーンへと変わる、そうした企業を大募集してグリーン化を後押ししたい。
本業でも、企業間連携で新しい事業が生まれてきました。良い技術を持っていても知られていないために使われないケースが多く、連携する企業も「入社したい」と思われるような新しいイメージをつくっていくことに重要性を感じています。
当社の元々の社名は東邦パーライトでした。鉱山で採掘される黒曜石を高温加熱して発泡させたパーライトを活用した断熱材から始まり、出発点は鉱物資源や鉱山と深い関わりがあります。
パーライトは土に混ぜると水はけや通気性が改善されるので、土壌改良材として使われたことが、グリーン分野へ進出するきっかけでした。1980年代から公園整備、先の大阪・関西万博会場の緑化にも活用され、都市緑化事業に展開していきました。現在は単なる緑化ではなく、人にとって居心地のよい空間づくりにフォーカスし、利用者の視点を重視した空間づくりにコミットしています。
地域活性化につなげる
地域活性化やローカルな街づくりにも取り組んでいます。京都・大原のプロジェクトでは、歴史ある自然景観を守りながら、価値を発信する再生を進めています。自然と人が共存する風景を文化的価値として未来へつなげる取り組みで、京都で進むKYOTO ARTSCAPEのような景色をアートとして捉えるエリアブランディングの潮流とも通じています。
GREEN×EXPO終了後も、次世代につながるプロジェクトとして持続していくことを目指しています。横浜市も一過性のイベントで終わらせず、会期後の都市公園などで、人の交流やコミュニティをどう残していくかという議論が始まっています。「横浜未来共創会議」という会議に企業や学生が集まり、GREEN×EXPOを一つの節目としてアイディアを出し合っており、当社も参加しています。そこで出されたアイディアを具現化し、プラットフォームとして横浜の街づくりに生かすことで、次へつながっていくと考えています。
大阪・関西万博では、公式キャラクター「ミャクミャク」から派生した共創の象徴「こみゃく」という概念が、二次創作や参加型の文化価値を生み出しています。こうした取り組みも参考に、GREEN×EXPOが始まる前から、企業やクリエイターと共創しながら価値を残していきたいですね。
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