百姓は〝徒党〟を組もう 農事組合法人栄営農組合前会長・伊藤秀雄氏2026年2月12日
2月10日、国会内で開かれた「日本農業・食料崩壊の危機を打開するシンポジウムin東京」のパネルディスカッションでは、千葉県の農事組合法人で米作りを続けてきた伊藤秀雄さんが政府備蓄米の買い入れ価格や直接支払の必要性、農政運動の課題について問題提起した。以下はその要旨である。
「生産費を下回る国の備蓄米買い入れ価格」への現場の怒りを代弁する栄営農組合の伊藤秀雄前会長
(2月10日、参議院議員会館)
19歳で就農し、(今年は)56回目の米作りをする予定だ。千葉県北東部の九十九里浜、匝瑳(そうさ)市から来た。匝瑳市は、環境省から「脱炭素モデル事業」に指定され、昨年はオーガニックビレッジ宣言をした。
10人ほどの仲間で、栄営農組合の一員として約180町歩(ha)の田を耕作している。自作地はメンバー平均1町歩余りで、ほとんどが借地だ。離農した約200人の地主から借りている。昨年も2~3町歩の田をやってくれないかという話がきたが、この10人ではもう手一杯だ。
本来であれば1月下旬、農水省による備蓄米買い入れがある。農水省が出している米1俵(60kg)当たりの生産原価は1万5000円~1万6000円だ。今は(実際の生産コストは)2万円を超えているが、政府の買い入れの目安は1万3000円前後だ。農家に1俵当たり2、3000円損して(米を)拠出しろということになる。備蓄米買い入れ価格が当年度の米価に与える影響は大きく、米価の(最低)基準になってしまう。生産費を下回った備蓄米買い入れ価格の設定には、腹が立って仕方がない。
農家の減少とともに地域社会のコミュニティ、共同体が壊れ(畦畔、水路などの)手入れができなくなっている。私は地域の環境保全会の会長をしていて、直接支払いを受けている。環境保全会への直接支払いは、農水予算の中でも事業評価が高いと聞く。食料安全保障とともに国土保全を担っている第一次産業に従事している私たちに、その対価と補償をすべきであると考える。
百姓は〝徒党〟を組んでいこう。一昨日(2月8日)も、総選挙と同時だった(匝瑳)市長選で、推薦した候補が当選した。いろいろな政党支持の人がいるが、農業、米ということで結集して水稲生産者協議会という団体を作り、力になれた。みなさんもぜひ、地域で仲間づくりをし、共通の目的のために政治を動かそう。
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