事前契約で米価に「下限値」 暴落食い止め営農可能な手取り確保 全農にいがた2026年2月4日
JA全農にいがたは、2026年産米の概算金について、販売先と販売価格の下限値を設定した事前契約を交わすことで、営農が続けられる生産者手取りの確保を図る。需給が大きく緩み米価暴落が懸念される中、主産地として適正価格を守るための試みとして注目される。
25年産コシヒカリ、新之助の出荷は苦戦
全農にいがたは2月2日、新潟市内で開いた「需要に応じた新潟米推進集会」で、2026年産米の集荷・販売方針を明らかにした。
2025年産米の新潟県での販売状況は、「コシヒカリ」の出荷実績は24年産比62%、「新之助」は84%にとどまっている。これは量販店の年産切り替え時期が遅れたことや米価の上昇により高価格銘柄米の販売が苦戦しているためだ(ただし「こしいぶき」は、精米5kg当たり4000円(税別)を切る安い店頭価格になっていることや、県内大手包装米飯メーカー向けの出荷が好調のため24年産比150%となっている)。
主食用米の需給は、約2年間続いた需給逼迫局面から需給緩和へ転じることが確実となり、25年産米の市中価格も、出来秋以降下がり続け、現在は(玄米60kg当たり)2万3000円~2万7000円で取引されている。
販売先と播種前契約で「下限値」設定
全農にいがたは全国・県内の25年産米をめぐる取引状況をこのように整理した上で、集荷・販売計画として「主食用米は、パートナー卸や実需者と連携し、生産者の営農が継続できる価格の維持をはかりつつ、新潟米需要の拡大を図ります」とした。
その眼目が、営農が続けられる生産者手取りの確保と販売先への安定供給の両立を図る「営農継続可能な契約取引」だ。
全農県本部が販売先と、販売価格の下限値(生産コスト+流通コスト)を設定した事前契約を交わし、全農と県内JAとが出荷予定数量にもとづく播種前契約提案数量を協議、決定する。それを踏まえ、JAは生産者と出荷契約を交わし、実際の販売額が一定の幅で変動しても、営農が続けられる生産コストは確保できるようにする。集荷してから販売先と商談するのではなく播種前に出口を確保することで、相場が上下しても最低限の手取りは確保できる、という仕組みである(「営農継続可能な契約取引の概念図」参照)。
営農継続可能な契約取引の仕組み
出所:全農にいがた「令和8年産米集荷・販売方針について」
昨年は3月に行った「最低保証額」の提示は2~4月に、JA概算金(仮渡金)の決定は8月中旬を予定し、可能な場合には仮渡金の改定(引き上げ)も実施する。
米の銘柄ごとにふさわしい居所
全農にいがた米穀部の担当者は、「昨年まで米に不足感が強く価格もどんどん上がっていったが、局面が大きく変わった。概算金を高くし過ぎると(JA側に)リスクがあり、低すぎると生産者が困る。販売先となるべく高い比率で事前に結び付け、営農が続けられる生産者手取りを確保したい。米価がどうなるかは26年産米での政府備蓄米買い入れ入札価格や食料システム法の下で作られるコスト指標が指標になるだろう。米の銘柄ごとにふさわしい居所(適正な水準)があると思う」と話している。
JA新潟中央会の伊藤能徳会長(全農にいがた会長)も年頭記者会見で、「生産者が再生産できるよう、価格の暴落を防ぐ努力をしながら、消費者の米離れも起こさない(生産者と消費者)双方が納得できる価格にしていきたい」と述べ、2026年産米でも最低保証額を示す考えを述べていた。2月2日の説明は、伊藤会長の考えに沿って、「納得できる価格」作りの道筋を示したものといえる。
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