近づく限界、米価に暴落懸念 「2014年の再来」防げるか2026年1月16日
新米の動きが鈍い中、6月末民間在庫が「最大級の水準」になるとの見方が強まっている。そうなると米価急落は避けがたい。取引関係者の間には「2014年の再来」を危惧する声がある。
米穀機構買い上げで歯止め
「東日本大震災もあって2011~2年、米価が上がり、農家は増産した。その反動で13年から在庫がじゃぶじゃぶになり、暴落が始まった」
そう振り返り「今の需給状況はその頃の再来ではないか」と危惧するのは、北関東の集荷団体関係者だ。
「(2014年は)35万tが売れる見込みのない米になったので、米穀機構(米穀安定供給確保支援機構)が買い上げた。集荷円滑化対策の一環で、その時の買い上げ価格が1万コロコロ50円(手数料米で1万50円)、これで底を打つと安堵した」(同関係者)
ところが同県では、米価はその後も下げ止まらず、コシヒカリが玄米60kg当たり、一時は8000円台になった。「2番底」があったのだ。それでも、米穀機構の買い上げが需給を引き締め「底が抜ける」のを防いだ意義は大きかった。
悲鳴に近い叫び
農水省によると、同省が相対取引価格を調査、公表するようになった2006年以降、相対取引価格が最も落ち込んだのが2014年(平成26年)の1万1967円だった。
本紙は当時「26年産米 卸間取引で1万円前後」「空前の低米価 農家経営を直撃」「苦しいのは生産者と米卸」などの見出しで、米価暴落問題を詳報している。
2014年産米の概算金は新潟の「一般コシヒカリ」で1万2000円(前年比▲1700円)、宮城県「ひとめぼれ」が8400円(▲300円)、秋田県「あきたこまち」が8500円(▲3000円)など、13銘柄を除いて概算金は軒並み1万円を割り込み、「『これでは生きていけない』と......生産者の悲鳴に近い叫びが聞こえてくる」(2014年9月22日付JAcom)。農水省によると同年の60kg当たり米生産費は平均で1万5416円だったから、1万円を割り込む農家手取りでは「生きていけない」との声が上がるのも当然だった。
中小卸の投げ売りが引き金
10月2日付JAcomは、中小の米卸が在庫として抱えていた2013年産米を「銘柄に関係なく搗精代込みで1kg180~190円という超低価格で外食に投げ売りしたのが、米価暴落のきっかけだったという」と報じている。背景には、13年産の在庫がじゃぶじゃぶになっていたことと米消費の落ち込みがあった。9月18日には「米作って、飯くえねえ」と銘打つ集会も開かれ、政府に緊急対策を迫った。
そうした中、政府は米穀機構を通じた買い上げによって過剰在庫の市場隔離を図った。その買い上げ価格が「底値の目安」になるとして注目を集めたのである。
2013年在庫超える可能性
翻って2026年1月。小売価格はなお高いものの需給は大きく緩み、スポット価格は下げ止まらない。農水省は6月末民間在庫を215~229万tと見通す。適正在庫は180~200万tとされ、グラフにあるように2013年は224万t(翌14年は220万t)で暴落を招いた。最大の229万tとなると13~14年を上回るが、25年産米の売上不振から6月末在庫が上振れするとの見方は根強い。
前出の集荷団体関係者は「集荷業者に短期融資した銀行が回収を気にしているとの話も聞こえてくる。3月には決算を乗り切るため投げ売りが増えてくるのではないか」と話す。
在庫を抱える中小卸など取引業者が資金繰りから赤字になっても売却を迫られる構図は2014年と共通する。60kg当たりの米生産費は2024年には平均で1万6382円まで上がっており(農水省「令和6年米生産費」)、「概算金が1万円台に下がれば離農が相次ぐ」との声は多い。
スポット価格はすでに下落を始め「どこで下げ止まるかわからない状況」(取引関係者)が続くが、26年産米の政府備蓄米買い上げ(落札)価格は「底の目安」になるとして注目される。例年だと、直近5年間のうち最高値と最安値を除いた3年の平均(5中3)から諸経費1600円を引いた額に収れんするといわれるが、今回どうなるかは思惑が交錯している。


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