地震時の地すべり移動量を簡便に推定 能登半島地震災害の復旧を支援 農研機構2026年3月2日
農研機構は、地すべりの安定解析として従来から広く用いられているFellenius法に、地震時にその地点で推定される加速度を加味することで、地震による地すべりの移動量を簡便に推定するSLaDEE法を開発した。令和6年能登半島地震で発生した地すべり災害では、同手法による分析結果が、復旧工事の早期着手につながった。
能登半島地震で滑動した地すべりの調査のようす
2004年に発生した新潟県中越地震、2008年の岩手・宮城内陸地震、2011年の東北地方太平洋沖地震、そして2024年の令和6年能登半島地震など、大規模地震に伴い、各地で地すべり災害が発生し、農地や農業用施設、家屋、インフラなどが被災してきた。
農研機構は、地震時の地すべりの移動量について、1cm程度の小さな動きから10mを超える大きな動きまで、実際の移動量とおおむね同じオーダーで推定できる簡便な手法(SLaDEE法)を開発。同手法は、専用の解析ソフトウェアを必要とせず、計算式を用いることで、市販の表計算ソフトを使って予測できる。
1回の計算に要する時間は数分以内で、多くの想定ケースを短時間で比較・検討が可能。使用する情報は、Fellenius法による安定解析で用いる情報に加え、地震時の加速度を追加するだけで済む。また、地すべりの移動の向きが途中で曲がっている場合でも、移動量の推定が可能となる。
令和6年能登半島地震の災害対応では、SLaDEE法を用いて地すべりの安定性を評価し、復旧工事の早期着手につながった。
SLaDEE法は、ダムやため池などの重要な施設が地すべり防止区域内や斜面の下方に位置する場合などで、地震時の地すべりの安定性を個別に評価できることが特徴。これまで十分に行われてこなかった地すべりの耐震照査が進められることが期待される。
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