古米の概念を問い直す「泉大津市熟成米プロジェクト」始動 大阪府泉大津市2026年3月2日
大阪府泉大津市は、東洋ライスとの連携により、米の保存に関する従来の常識を転換する「泉大津市熟成米プロジェクト」の実証実験を開始。2月27日にプロジェクトの概要を公表するとともに、米の「熟成保管庫」を披露した。
熟成保管庫前を披露した泉大津市の南出市長(中央左)と東洋ライスの雜賀慶二社長(同右)
米の需給や価格の不安定化が全国的な課題となる中、生産量の抑制を前提とした需給調整だけでは、安定供給の確保が難しくなっているという指摘がある。同プロジェクトは、「時間が経つと米の品質は低下する」という"古米の概念"そのものに着目。米を計画的に長期保管することで、生産・流通・備蓄の在り方を見直そうとする取組みとなる。
東洋ライスが保有する熟成保管技術は、米を適切な環境で管理することで、長期保管においても品質の維持を可能とし、さらに味や価値の向上につながる可能性がある。実証実験では、この技術を活用し、実際の保管・運用を通じた検証を進める。
熟成保管庫にお米が入った様子
泉大津市ではこれまで、全国の生産地自治体と連携し、学校給食を軸とした有機栽培米・特別栽培米の安定調達や、米のダイレクトサプライチェーンの構築に取り組んできた。同プロジェクトは、こうした取組みを基盤とし、消費地自治体の立場から、米の生産・保管・活用を一体で捉え直す新たなモデルの構築を目指すもの。不測の事態においても安全・安心な食料供給を支える仕組みとして、行政が主体となり、長期的な視点で検証していく。
プロジェクト開始にあたり、泉大津市の南出賢一市長は「『米の熟成保管技術』は、日本人の主食である米を安定的に生産し、確保していくための新たな可能性を示す、革新的な取組み。消費地である泉大津市から、米の生産・保管・活用を一体で捉えた新たなモデルを全国に発信し、日本全体をより豊かにする取組みへとつなげていきたい」と話している。
泉大津市は、同プロジェクトにおいて、米を最大5年間にわたり段階的に熟成保管し、毎年試食会を実施することで、食味や品質面の変化を継続的に検証。結果を踏まえながら、「熟成米」を備蓄米としての活用をはじめ、学校給食やふるさと納税返礼品としての展開可能性についても検討していく。
また、今後は同市の取組みを起点として、生産地自治体および消費地自治体の双方へと横展開を図り、米の生産・保管・活用を一体で捉えた持続可能なモデルの構築を目指す。
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