高市旋風で自民圧勝 農政は課題山積、「一強国会」でも熟議を2026年2月10日
2月8日に投開票された衆議院選挙で、農政連が推薦した候補260人のうち248人が当選した。高市旋風が強く吹いた衆議院選挙は農政議員の当選も押し上げたが、自民「一強」国会でも農政課題では熟議が求められる。
農政連推薦候補の95.4%が当選
厳寒の下で戦われた衆議院選挙では、高市早苗首相の高い人気で自民党が圧勝し、与党で3分の2以上の議席を占めた。全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)が推薦した候補は260人中248人(95.4%)が当選した(表参照)。全国農政連の長谷川浩敏会長は2月9日に発表した談話で、当選者と「食料の安定供給と農業・農村の持続的な発展に向け、共に前進する」と表明した。
農政議員多数の当選は、2025年度から始まった「構造改革転換集中対策期間」でのカントリーエレベーターなど共同利用施設の再編集約・合理化をはじめ、猫の目ではない、安定した農政を推進する基盤となりうる。だが、今回の自民圧勝は高市人気に支えられたものであり、政策議論は深まらなかった。投票率は56.26%だったので、有権者のうち小選挙区で自民党に投票した人の割合を示す「絶対得票率」は26.9%にとどまった。今回の圧勝には小選挙区制の賜物という面もあり、政策決定に白紙委任が与えられたとは言えない。
衆参農水委の議論踏まえて
勢力地図が様変わりした「自民一強国会」でも、農政課題では熟議が求められる。これまでの衆参農水委員会での議論を踏まえ、建設的提案は野党からも採り入れ、政策をブラッシュアップしていくべきだ。
総選挙を通して農政の議論は深められなかったが、米問題には注目が集まった。高いか安いかだけでなく、農家が安心して米作りを続けられ、消費者が安心して買える環境の整備が求められる。政府は食糧法見直しを図るが、民間備蓄の制度設計を含め疑問も多い。生産者、取引関係者の疑問を晴らすことが法案提出の前提になる。
食料システム法の4月全面施行を受け、コスト指標作りも本格化する。まずは納得感の高い指標を作るとともに、指標がきちんと機能し、農産物が適正価格で販売される環境を整えなければならない。
「財務省が」の壁、どう超える
2027年度からの「水田政策見直し」でも議論すべきことは多い。水田はすぐれた生産装置であるだけでなく、多面的機能を持っている。それを支えるのは担い手にとどまらない多様な農業者であり、集落である。そこがこれ以上壊れれば、大規模化やスマート農業、輸出促進といった「攻めの農政」も基盤から揺らいでしまう。産業政策だけでなく地域政策の視点も忘れず、農家と地域を支える仕組みの拡充も必要だろう。
これらの政策を決定、推進する上で、前提となるのが農業予算だ。鈴木農相も指摘する「『財務省が』の壁」はなお厚いが、農政にこそ積極財政が不可欠である。

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