黒毛和牛へのメタン削減資材「ボベアー」敷島ファーム、dsm-firmenichと給与実証 兼松2026年2月10日
兼松は、敷島ファームおよびdsm-firmenich AG(ディーエスエム フェルメニッヒ)と連携し、敷島ファームが飼育する黒毛和牛を対象として、牛のげっぷに含まれるメタンガスを削減する飼料添加物「ボベアー」の給与実証を実施。畜肉のサプライチェーンにおける環境負荷の軽減を目的としており、黒毛和牛への「ボベアー」の商用利用を目指した取組みは世界初となる。
飼料を採食する敷島ファームの黒毛和牛
牛など反芻(はんすう)動物のゲップに含まれるメタンガスは、温室効果ガス(GHG)の一種で、畜産業における環境課題となっている。農研機構によると、この消化管由来メタンは国内の農林水産業において稲作に続く第二のメタンガス排出源とされ、世界のGHG総排出量の約5%を占める。日本では2025年12月、牛への飼料添加物を使った飼料の給餌に関する新規方法論の策定がJ-クレジット制度運営委員会にて承認され、制度登録に向けた準備が進んでいる。
dsm-firmenichの「ボベアー」は、牛肉や牛乳の風味や品質を維持しながら、乳牛で平均30%、肉牛(肥育牛)で平均45%の消化管由来メタンを削減する飼料添加物。欧州、米国、南米、豪州等の数百の農場で導入され、同社の試算によると、現在までに「ボベアー」の使用で削減できたメタン排出量は、二酸化炭素換算の累計で約60万トンとなる。
兼松とdsm-firmenichは2025年7月、「ボベアー」の活用による環境価値の創出と、同価値を付与した畜産品の販売を共同で推進する連携協定書を締結。今回の実証はその一環として、3社で黒毛和牛への最適な給与条件や方法、適切な記録手法など、将来的なJ-クレジット創出に向けた検証を行った。
カーボンインセットの流れ
<実証内容>
期間:2025年11月から70日間
場所:敷島ファーム 白老牧場(北海道)
対象:黒毛和牛24頭
方法:慣行飼料に「ボベアー」を添加し、毎日同時刻に給与
実証結果は以下の通り。
①「ボベアー」は既存の飼料に添加するだけで使用でき、給与作業の大幅な増加はなかった。
②実証期間中および終了後も採食状況は良好で、牛群の行動や成長、健康状態にも問題はなく、安全に終了。
③今回の実証事業において削減された消化管由来メタンの量は、二酸化炭素換算で約5.5tと試算された。
3社は今後、小売・メーカー・外食などと連携して黒毛和牛を含む畜産物由来のメタンガス削減実績の環境価値と畜産品をセットで提供するカーボンインセットを推進。サプライチェーン上の敷島ファームのScope1と川下におけるScope3(Category1)の削減に寄与することで、持続可能な食のサプライチェーン構築を目指す。
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