おいしいご飯は「研いだらすぐ炊飯」に驚き 食育の重要性も アサヒパックと象印マホービンがお米マイスターと意見交換会2026年2月10日
米袋メーカーのアサヒパック(大阪市、山澄正一郎代表取締役)は2月9日、東京都港区の象印マホービン東京支社で、米穀販売店のお米マイスターら10数人を招き、「もっと!ごはん好きを増やそう!!意見交換会」を開いた。このなかで、イベントに協力した象印マホービンの開発担当者から、ご飯をおいしく炊く方法として「炊飯器には浸水工程が組み込まれており、米を研いだ後に時間を置く必要はない」との説明があり、参加したお米マイスターからも驚きの声が上がった。
意見交換会の様子
主催のアサヒパックはご飯食推進の取り組みを進めており、農林水産省の「Let's 和ごはんプロジェクト」や「ニッポンフードシフト」などにも参画し、食育活動の支援も行ってきた。長期的に減少してきた1人当たりの米消費量は直近2年間で増加に転じているが、「底を打ったようにも見える。現場のリアルな意見を共有したい」と考え、事前に実施したお米マイスターらへのアンケート結果も踏まえて意見交換の場を作った。
協力した象印マホービンからは、「炊飯ジャー」の基礎知識が紹介された。世界の米消費量では中国が最も多く、インドネシア、日本、インドなどが続く。日本以外ではシンプルな機械式炊飯器が主流だが、日本では稲作や精米技術とともに炊飯技術も進化し、世界トップ水準の炊飯技術が確立されていることが説明された。
象印マホービンが炊飯ジャーを解説
炊飯技術の要点として、炊飯器内部で対流を起こし、米全体に均一に高温を伝えることでデンプンがα(アルファ)化し、甘味成分が表面をコーティングすることで、ふっくらとした食感と甘みが生まれることが紹介された。そのための熱源技術は、マイコン炊飯器による釜底加熱の間接加熱方式から、IHによって釜自体を発熱させる直接加熱方式、さらに圧力を加えて沸点を高める圧力IH方式へと進化してきた。
同社のフラッグシップモデル「炎舞炊き」は、6つのIHヒーターで集中的に加熱し、激しい対流を生み出す構造を採用しており、2018年の発売以来、累計100万台以上を販売しているという。また、利用者の好みに応じて121通りの炊き方を調整できる「我が家炊き」機能、業務用炊飯器についても、耐久性の向上や用途に応じた炊き分け機能などが備わっていることが説明された。
説明後には、お米マイスターから多くの質問が出た。一般的には、米を研いだ後に一定時間の浸水時間を置くことが必要と思われている。しかし、「マイコン炊飯器が普及し始めた1990年代にはすでに浸水工程が自動化されていたが、家庭にはなかなか浸透しなかった」という。タイマー予約で長時間水に浸してしまう場合も、「水量は機器側で制御されるので調整は不要。食感も炊き分け機能で調整できる」と説明された。そのほか、早炊きの注意点、玄米や分づき米の炊き方、水温の影響などについても質疑が交わされた。
炊き上がったご飯の試食を挟み、お米ライターの柏木智帆氏のファシリテートによる意見交換が行われた。
ファシリテーターのお米ライター、柏木智帆氏
「令和の米騒動」のなかでの消費者の購買行動の変化についても意見が出た。販売量の減少は全体に見られるものの、備蓄米の流通などをきっかけに「スーパーの米の味の違いを消費者が認識し、多少価格が高くても品質の良い米を選ぶ人が増えた」「精米したてや個人農家のこだわり米への需要が高まっている」といった声。また、「ゴルフコンペの景品など贈答用としての需要が伸びている」「スタンプラリー形式でさまざまな品種を体験してもらう取り組み」など、価格以外の価値訴求の工夫も紹介された。
さらに、「子どもも大人も、本当においしいご飯を体験する機会が減っている」との指摘があり、消費拡大には食育の強化が重要との意見が相次いだ。保育園や小学校での出張授業や、保護者も参加する炊飯体験、学校給食でのご飯中心の和食体験、家庭科教育での炊飯体験などの必要性が語られた。産地の資料だけでなく、「実際に産地を訪問することで、生産者の思いや現場の熱量を消費者に伝えやすくなる」との意見も出され、販売現場からの発信力強化の重要性も共有された。
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