JAの活動:未来視座 JAトップインタビュー
協同の営みで地域再興 茨城県JA常陸組合長 秋山豊氏(2)【未来視座 JAトップインタビュー】2026年2月17日
「弱肉強食」といわれる新自由主義を嫌い、「相互扶助」を基本とする協同組合理念を重視する茨城県JA常陸組合長の秋山豊氏。「オーガニックは有機的なつながりも意味する」という。聞き手は文芸アナリストの大金義昭氏。
持続可能な有機 人間性回復にも
茨城県JA常陸組合長 秋山豊氏
大金 有機農業を中心に、食文化を通して世の中を変えていくとも語っている!
秋山 何もしなければ、農業も農村も、生産性の高い資本に全部やられる。それが「資本の論理」です。アメリカもオーストラリアも視察しましたが、ほ場の面積がまるで違う。新自由主義につぶされずに農家が生き残る道は、食味であり安全性であり環境と調和する有機農業でしょう。今年、東京都の板橋市場がリニューアルし、オーガニック専門のせり場が出来ます。有機食品を市場に出し、慣行農業の農産物の1・6倍の値段で売れればぐっと広がりますよ。(笑)
大金 グローバル資本主義に対抗する手立ては二つあるんじゃないか。一つは国家が前面に出た「統制経済」。しかし独裁的な覇権主義になりやすい。もう一つは有機だとか食文化だとか地域農業だとか地域社会をとことん大切にする協同の営みではないか。JA常陸の取り組みはグローバル資本主義時代における協同組合の挑戦のようにも見える!
秋山 資本主義社会では、人間、家族、地域社会が分断され孤立する問題があります。農協の役割として分断・孤立から連帯・協同によって地域の再生と人間性の回復を図る運動が必要です。そこに「オーガニック」も関わってくる。「オーガニック」って有機的な(つながり)という意味ですから。(笑)
大金 「オーガナイズ」(組織化)とも類義語です。
生産性向上 必須の条件
秋山 もう一つ、経営体として生き残るには「生産性の向上」が必須です!
大金 「道徳・経済一元」ですね。「経済」がないと、「道徳」は寝言になる!
秋山 本紙新年号に掲載された常陸大宮市の鈴木定幸市長との対談で、私が「基盤整備」と言ったのはその趣旨です。すると市長が「中山間地で有機農業やればいいんですよ!」と言うから、いい考えだなと思っています。(笑)
文芸アナリスト 大金義昭氏
大金 JAグループの仲間に伝えたいことは?
秋山 人は光があれば生きられる。「厳しい」「厳しい」とばかり言わないで、何をすれば明るくなるのかを考える。職員や組合員一人ひとりを、どう前向きにするかが協同組合の役割でしょうよ。
大金 内山節が愛読書だとか?
秋山 自然哲学ですね。農文協に薦められて全集を買って読んでいます。あとは宇沢弘文さんの『社会的共通資本』です。この2人を読んでいれば間違わないと思うのです。
【インタビューを終えて】
『論語』に「義を見てせざるは勇なきなり」という言葉がある。弱い立場に身を寄せる秋山さんの義侠心は、限りなく純粋で強靭に見える。虚飾を捨てたストレートな語り口には恥じらいもにじむ。優しい心根を秘めたその雄々しさは、少年時代からいくつもの壁を乗り越えてきたたまものだろう。秋山さんの人間的な魅力を見抜いているJA常陸の組合員の皆さんの慧眼こそが、協同組合の底力だ。
戦後80年。農業は"絶滅危惧種"の事態に追い込まれている。県北一円の中山間地を擁する農業や地域に、日夜「光」を求め、「何をすれば明るくなるのか」に挑戦する秋山さんの異色の物語に、吉田松陰など幕末の志士たちの面影が重なった。(大金)
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