新品種育成と普及 国が主導 法制化を検討2025年12月12日
農水省は12月11日、新品種の育成、普及を加速させるため法制化の検討方向を示した。
12月11日の自民党農林政策調査会と農林部会の合同会議
基幹的農業従事者は、この20年間で224万人から102万人に半減し、今後も大幅な減少が見込まれるなか、単収の向上など生産性を向上させて必要な食料生産を確保していく必要がある。
一方、今年の夏は観測史上最高の平均気温を記録し、農産物の収量や品質の低下など気候変動に対応した新品種の育成と普及を急ぐ必要がある。
ただ、現状では新品種の育成には最低でも10年程度が必要で果樹では約30年を要する。しかも農業者に種苗が供給されるまでには3年以上かかる。
こうしたことから政府は今年6月「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」で新品種の育成・普及を強化するための「法制度の検討を行う」ことを閣議決定した。
11日に農水省が自民党の総合農林政策調査会と農林部会合同会議に示した検討方向では、多収性や高温耐性など重要な形質を持ち、広い地域の課題解決に資する新品種を「重要品種」と位置づけ、国の主導の下で「品種育成から農業者への普及に必要な種苗生産までを一貫する体制」を強化する考えを示した。
このうち品種育成では国が「重要品種」の考え方を示し、農研機構、都道府県試験場、大学、民間企業による品種育成を加速する。その際、研究機関の水平連携と、研究機関と実需者、生産現場との垂直連携を促す。こうした産官学連携のハブとして農研機構を機能させる。
一方、種苗生産では種苗生産者の減少や特有の栽培管理などの課題がある。水稲では農研機構や試験場などで育成された新品種の元種から都道府県などが原原種、原種を生産し原種が生産現場に提供される。
ただ、種子、種苗の生産には栽培期間中に変異株や罹病株など抜き取りを手作業で行う必要があるほか、徹底した病害虫防除、コンタミを防ぐための専用コンバインの使用と、1品種収穫ごとの清掃の徹底などが求められる。また、発芽率が落ちないよう低い温度で時間をかけて乾燥させる必要がある。種子の品質を維持するには、こうした設備と手間がかかる。
そのため今後の種苗生産では、地域の協力のもと、種苗生産のゾーニングや「地域計画」の話し合いを通じて農地の集積・集約を進めて、新品種の効率的な「種苗生産環境」を整備する必要があるとしている。
また、制度的な対応とあわせ予算措置で新品種の育成と普及を支援する考えだ。
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