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ローマで一度は訪れたい博物館――国立ローマ博物館【イタリア通信】2026年2月14日

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ローマには毎年2000万人以上の観光客が訪れます。

コロッセオ、フォロ・ロマーノ、トレビの泉、パンテオン、サン・ピエトロ寺院などの名所は、いつも観光客であふれています。

ヴァチカン博物館やボルゲーゼ美術館などの有名な美術館・博物館は、予約を取るのも大変です。

しかしローマには、あまり知られていないものの、素晴らしい博物館がいくつもあります。

国立ローマ博物館もその一つです。

国立ローマ博物館は1889年に設立され、ローマおよび周辺で出土した古代ローマ時代の考古資料を中心に収蔵・展示する博物館です。現在は市内に点在する4つの建物に分かれ、それぞれに特徴ある展示が行われています。

その中で私が最も好きなのが、1998年に開館した Palazzo Massimo です。

開館式にはスカルファロ大統領とルテッリ・ローマ市長が出席し、新聞やラジオでは「ローマおよび周辺で発掘された古代遺物のみを展示している」点が強調されました。これは世界中から収集品を集める大英博物館やメトロポリタン美術館とは異なり、ローマの文化遺産に特化する方針を示すものですが、私には植民地時代の収奪への皮肉のようにも聞こえます。

入館してまず見たいのが、アウグストゥス帝の妃リウィアの別荘の庭園壁画です。

そこからは、ローマ人が理想とした自然観を知ることができます。

この壁画が描かれていたのは「トリクリニウム(饗宴室)」で、三つの寝台に横になって食事をし、会話を楽しむ社交の場です。

饗宴室の壁画

ポンペイ遺跡やナポリ国立考古学博物館にも壁画は多くありますが、Palazzo Massimo の壁画やモザイクは質がまったく違います。当時のローマは世界中の富と芸術家が集まる帝国の首都であり、地方都市だったポンペイとは職人の技術にも差がありました。ローマで流行した壁画やモザイクの主題はすぐに地方へ広まり、これは肖像彫刻の髪型にも見て取れます。

饗宴室のモザイク(床)

展示されているモザイクは、現在は壁に掲げられていますが、もともとは床の装飾です。トリクリニウムの床には、ローマ人が好んだ魚や、漁師、牧童の姿が描かれていま
す。

古代ローマのコイン

Palazzo Massimo には、約2万点に及ぶ世界有数のローマ時代のコイン・コレクションがあります。共和政ローマから帝政ローマ、西ローマ帝国滅亡までを幅広くカバーしています。

皇帝の肖像や神殿、神話、記念事業が刻まれたこれらの硬貨は、現在のイギリス南部、フランス、ドイツの一部、北アフリカ、さらに東方の前線基地まで、帝国各地で流通していました。

Palazzo Massimo はフレスコ画で知られていますが、彫刻にも見応えのある作品があります。

ディスコボロス(円盤投げ)は、紀元前5世紀のギリシャ彫刻のローマ時代のコピーです。

円盤投げ

そして、紀元前4〜2世紀のヘレニズム期のブロンズ像

Il Pugile a riposo(休息する拳闘士)。

Il Pugile a riposo

試合後に腰を下ろし、息を整える姿。腫れた顔、つぶれた鼻、勝者ではない英雄。傷口には銅がはめ込まれ、血が表現されています。理想美から「人間」へと向かったギリシャ彫刻を象徴する、貴重な作品です。

このほかにも、貴族や富裕層の生活を想像させる展示が多くあります。10歳ほどの少女の棺に納められていた木彫りの人形を見ると、時代を越えて遊ぶ少女の姿が自然と思い浮かびます。

10才ほどの女の子のお棺に入っていた木彫りの人形

見学に来ていたローマの高校生に
「どの作品が一番好き?」
と尋ねると、男の子たちは
「ボクサー」
と答えました。

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