2030年まで主食用21.4万haの転換必要 JA全中2023年1月18日
JA全中は「令和5年度水田・畑作農業対策にかかる取り組み方針」を1月12日の理事会で決めた。試算では2030年までに主食用米需要量が115万t減少する見込みで、21.4万haを主食用以外の作物に転換する必要があると厳しい状況を示した。JA全中はこうした見通しのもと中長期的な将来像に向けた地域での話し合いとビジョンづくりに取り組むことが必要だとしている。
米の需要量は2021(令和3/4)年は702万tだった。
JA全中の試算は1人当たりの消費量減少や人口減少のトレンドが今後も続くと仮定したもので、その結果、2030(令和12/13)年には需要量は587万tまで減少し、約115万t減となることが示された。作付け面積ベースでは▲21.4万haで、この面積を主食用米の需要減少を代替する品目、用途、品種への転換に取り組む必要があるとしている。

同時に食料安全保障の観点から、食料自給率向上を意識した輸入依存穀物(麦・大豆・トウモロコシ・その他飼料作物)の増産に計画的・戦略的に取り組むことが必要で、一時的な米の需給や米価の動向に左右されず、地域の実情に応じた中長期的な産地の将来像をJAの地域農業振興計画で示すことが求められ、そのための地域での話し合いも必要となる。

また、2025(令和7)年3月までに策定される行政による地域計画(人・農地プラン)にJAの農業振興計画が反映されるよう協議に参画して働きかけていくことも重要だとしている。
こうした取り組みを視野に2023年産に向けた取り組みでは、第1に行政と連携し計画的・戦略的な「水田収益力強化ビジョン」を策定する。策定にあたっては輸入依存穀物の増産を含めた内容を盛り込む。また、生産性向上をはかるため畑地化を見据えた圃場条件の改善を進めるとともに、農地バンクによる農地の集約化と連携し農作業受委託の推進も強化する。
ビジョンの策定にあたっては「地域計画」やJAの地域農業振興計画との整合性を図る。全中の調べではJAの地域農業振興計画と水田収益力強化ビジョンなど他の計画と整合性を確保しているJAは約2割にとどまっており、一貫した計画として策定することが課題となっている。
取り組みの第2は23年産米の適切な目安の設定。県産・銘柄別の在庫・販売動向をふまえた適切な主食用米の生産を推進する。また、主食用以外の作物の生産についても生産の目安の設定を県・市町村段階で行う。
3つ目は水田関係予算を最大限活用した作付推進。水田活用の直接支払交付金の対象水田は、5年に1回、最低1か月以上の水張りすることなどが要件とされたため、計画的にブロックローテーションを行うとともに、必要に応じて畑地化促進事業などを活用する。高収益作物(野菜、果樹、花き等)を生産する場合は10a17.5万円に加え、5年間2万円の支援もある。
飼料用米については2024年産から一般品種の支援単価が段階的に引き下げられるため、専用品種の計画的な作付や分別保管等の整理にも取り組むこととしている。

4つ目は輸入依存穀物の増産。畑地化支援予算のほか、国産小麦・大豆供給力強化総合対策事業も活用する。同事業は対象が水田だけでなく畑地への拡大し、また裏作小麦も対象となる。最大で10a1万円の支援がある。
5つ目は環境調和型農業の推進。堆肥など国内資源の活用、土づくり、土壌診断による適正施肥の取り組みで持続可能な生産体系を構築する。
6つ目は国産への切り替えや需要開拓に向けた低コスト化の推進。小麦、大豆など国産利活用の取り組みや、パックご飯やノングルテン市場向けの米粉製品など需要開拓にJAグループとして取り組む。

7つ目はナラシ対策などセーフティネットへの加入促進。
8つ目はJAグループの集荷・販売と適正価格形成に向けた取り組み。
需要に応じた集荷・販売を進めるため複数年契約を含む事前契約の拡大に取り組むとともに、販売計画に応じた出荷契約の締結をすすめ需要に応じた計画的な集荷・販売に取り組む。
出来秋には出荷契約を確実に履行し、需要者からの信頼と安定的な国産米の需要を確保する。
また、実需者に向けた価格転嫁の働きかけや消費者への理解促進の取り組みを継続する。
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