中高生向け「物流×IT」東京都の職業体験を開催 パルシステム2025年8月20日
パルシステム連合会は8月4日と5日、東京都の中高生職業体験企画に協力した。中学1年生から高校1年生まで7人の生徒が、稲城市のITと物流の体験施設で、生協の宅配サービスの仕組みを体験から学んだ。
パネルやタブレットで宅配の仕組みを考えた
職場体験は、年間を通じパルシステムの「おしごと体験」を企画している稲城事務センターで開催。施設には、物流センターで実際に使われている仕分け機を設置し、オリジナル動画やパネル、タブレットなどを使って宅配の仕組みを伝えている。中高生向けには、施設を活用しながら物流を支える情報システムの仕組みをさらに掘り下げ、体験やワークショップを交えて学んだ。
1日目は、店舗と宅配サービスの違いを考えることから体験。店舗内をめぐり買い物をするときの人の流れやカタログで商品を選ぶ時の視点など、顧客の心理を考え商品が配置されていることを知った。また、利用者の注文後、メーカーに必要数を発注する宅配サービスは、売れ残りによる食品ロスが発生しないなどさまざまな気付きがあった。
パルシステムの利用者から、毎日約16万件の受注データが集まり、データは情報システムで集計され、多い商品は3万点を超える発注データが取引先へ渡る。納品されると、物流センターの仕分け機へ個人別に集品データとして送信。生徒たちはタブレットを使い、これらのデータが行き交うようすを疑似情報システムで確認した。実際の注文画面も操作し、手元に商品が届くまでに欠かせない情報システムを体験した。
仕分け機の集品体験では、チーム対抗でセットの速さを競うなど、普段は見えない物流の裏側を学んだ。
実際の機器を使った仕分け体験
人と人のつながりで作る未来の仕事
2日目は、宅配サービスの仕組みで減らせる食品ロスを掘り下げて考えた。受注後の発注でも、食品の原料生産から加工製造、物流や家庭での消費の各段階で発生する量がある。各段階での発生理由を想像し、チームごとに話し合うワークショップを実施した。
産地での異常気象や工場の製造中の事故、物流トラブルなどさまざまな場面で食品ロスが発生することを発表。パルシステムは産地やメーカーと協力しながら削減を目指し、商品セットの予備分の青果も地域の困窮者支援団体と協力し、活用していることなどを紹介した。
そのほかパルシステムでは、宅配サービスのインフラを生かし、リユースやリサイクル、プラスチック削減などをメーカーや物流会社とともに推進。これらは、生活協同組合であるパルシステムの利用者の声を反映した活動で、利用者自身が運営に参画する協同組合の人と人のつながりから、SDGsに貢献するさまざまな活動が生まれていることを伝えた。
生徒たちは、興味を持った活動を話し合い、自分だったら身の回りの困り事や課題を誰と一緒に解決したいか考え、町中のゴミ問題やリサイクルの促進、家族の好き嫌いをなくし食品ロスを削減する方法など、グループごとに話し合い、さまざまなアイデアから小さな協同の形を作った。
最後にパルシステムから、将来の職業や進路を考える時、人と人が協力し合うことで課題を解決し、実現するのが「仕事」であることを思い返して欲しいと伝え、職業体験を締めくくった。
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