餌探しを「すぐにあきらめない」天敵昆虫を育成 農研機構2024年1月18日
農研機構は、ナスの重要害虫アザミウマ類の天敵として利用されているタイリクヒメハナカメムシを対象に、長い時間にわたって害虫を粘り強く探索して捕食する"すぐにあきらめない"性質を持つ系統を選抜・育成することで、防除効果を高められることを明らかにした。この成果は、これまで天敵利用が難しかった作物や栽培環境など多くの場面で有効な天敵の選抜・育成に応用され、「みどりの食料システム戦略」の推進に貢献することが期待される。

世界の農作物の総生産のうち、およそ16が害虫などの有害動物によって損失するとされている。現在の害虫防除は化学農薬が主体だが、新剤開発にはコストと時間がかかる。また、薬剤の多用により抵抗性が発達し、化学農薬による防除が困難な害虫もいる。
この状況を打開するため、化学農薬のみに依存しない画期的な害虫防除技術の開発が試みられており、その1つが天敵を用いた生物的防除法。天敵を利用した防除技術として、現在、複数種の害虫をたくさん食べ、害虫密度が低くても粘り強く探索し、低温条件など天敵の活動に適さない環境下でも働く天敵の開発が進められている。
このほど農研機構は、重要害虫アザミウマ類をはじめ、様々な微小害虫を捕食する天敵であるタイリクヒメハナカメムシを対象に、害虫を長い時間にわたって粘り強く探索する性質を有する系統を選抜・育成することにより、餌となる害虫の発生が低密度の環境下でもよく働き、害虫の防除効果を高められることを明らかにした。
この「すぐにあきらめない」系統は、歩行活動量を指標に「集中型」の餌探索を長く行う個体を選抜(遺伝子組み換えとは異なる手法することによって育成されたもの。同系統は、改良していない系統に比べて作物上の害虫密度が低い状況でも長く作物上に定着し、高い害虫防除効果を発揮する。
今後、「すぐにあきらめない」性質に関連する遺伝子を特定することでマーカー育種等ができるようになり、タイリクヒメハナカメムシ以外の天敵についても定着性をさらに向上させ、防除効果が持続する系統を育成することが可能になる。また、定着性の向上とともに、難防除害虫をたくさん食べることや低温条件での活動性など他の機能も強化した天敵を育成し、これまで天敵の利用が難しかった作物や栽培環境など多くの場面で活用されることにより、化学農薬のみに依存しない害虫被害ゼロ農業の実現に貢献することが期待される。
重要な記事
最新の記事
- 
            
              
      
    「ココ・カラ。和歌山マルシェ」約80点を送料負担なしで販売中 JAタウン2025年11月4日 - 
            
              
      
    「ジャンボタニシ」の食害被害を防ぐ新技術開発 ドローンで被害を事前予測・スポット散布 農研機構2025年11月4日 - 
            
              
      
    11月の野菜生育状況と価格見通し ばれいしょ、たまねぎなど平年を上回る見込み 農水省2025年11月4日 - 
            
              
      
    11月11日は長野県きのこの日「秋の味覚。信州きのこフェア」4日から開催 JA全農2025年11月4日 - 
            
              
      
    「鹿児島黒牛」使用メニュー「牛かつふたば亭」で提供 JA全農2025年11月4日 - 
            
              
      
    長野県「僕らはおいしい応援団」りんご「サンふじ」など送料負担なし JAタウン2025年11月4日 - 
            
              
      
    奈良県「JAならけん」約10点を送料負担なしで販売中 JAタウン2025年11月4日 - 
            
              
      
    藤原紀香「ゆるふわちゃんねる」淡路島で「灘の赤菊」生産者とゆる飲み JAタウン2025年11月4日 - 
            
              
      
    従業員エンゲージメント向上へ 新人事制度を導入 クミアイ化学2025年11月4日 - 
            
              
      
    外食市場調査9月度 2019年比93.8%3か月連続で回復傾向2025年11月4日 - 
            
              
      
    11月の飲食料品値上げ143品目 11か月ぶり前年下回る 帝国データバンク2025年11月4日 - 
            
              
      
    北海道・十勝発 農林水産業から拓く「GX地方創生」シンポジウム開催2025年11月4日 - 
            
              
      
    農業現場の負担を大幅軽減 水管理効率化「配水支援ツール」情報提供サイト公開 IHI2025年11月4日 - 
            
              
      
    冬季限定「亀田の柿の種 ミルク&ホワイトチョコレート」新発売 亀田製菓2025年11月4日 - 
            
              
      
    鳥インフル 英ランカシャー州からの生きた家きん、家きん肉等 一時輸入停止措置を解除 農水省2025年11月4日 - 
            
              
      
    生協の「産直」を世界へ発信「グローバル社会連帯経済フォーラムボルドー2025」に登壇 パルシステム2025年11月4日 - 
            
              
      
    楽しみながら「エシカル」を学ぶ「地域つながるフォーラム2025」開催 コープこうべ2025年11月4日 - 
            
              
      
    11月、12月は「歳末ポイント還元祭」開催 コメリ2025年11月4日 - 
            
              
      
    令和7年秋の叙勲 西沢耕一元JA石川県中央会会長ら93人が受章(農協関係)2025年11月3日 - 
            
              
      
    シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 






















      
    
      
    
      
    

      
    
      
    
      
    
      
    
                                  
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    





      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
      
    
