【特殊報】メロンにCABYV 県内で初めて確認 茨城県2025年7月10日
茨城県病害虫防除所は、メロンにCucurbit aphid-borne yellows virus(CABYV)を県内で初めて確認。これを受けて、6月26日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
茨城県病害虫防除所によると、5月に鹿行地域の施設栽培メロン圃場において、葉に退緑及び黄化症状を示す株が認められた(写真1~3)。茨城県農業総合センター園芸研究所において、RT-PCR法による検定およびその増幅産物の塩基配列を解析した結果、CABYV の感染が確認された。
同ウイルスは1988年、フランスでキュウリやメロン等で初めて発生が確認され、それ以降、海外40か国以上で主にウリ科野菜に被害を及ぼしている。国内では、2024年に京都府のキュウリで初めて報告され、その後、滋賀県でキュウリとメロン、福島県でキュウリ、大阪府でキュウリでの発生が報告。今回の茨城県での報告は国内5例目となる。
被害の特徴として、葉の一部もしくは全体に黄化症状を示す(写真1、2)。さらに症状が進むと、株全体の葉が黄化する(写真3)。新葉や脇芽等の若い葉には症状が見られないが、時間が経ってから黄化が生じる。
同ウイルスは、海外ではワタアブラムシやモモアカアブラムシ等のアブラムシ類により媒介されると報告されており、滋賀県の報告では、メロンでのワタアブラムシによる媒介が確認されている。なお、汁液伝染、種子伝染および土壌伝染は確認されていない。
媒介虫は、罹病植物を吸汁することで同ウイルスを保毒し、一度ウイルスを獲得すると永続伝搬(長期間あるいは生きている限り媒介できる)するが、経卵伝染はしないとされている。感染すると落花が多くなり、1株当たりの果実数が減少することで、メロンでは40%、キュウリでは51%減収した事例が海外で報告されている。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)発病が認められた株は伝染源となるため、速やかに抜き取ってビニール袋等に入れて密封し、株を腐らせてから処分する。
(2)同病に適用のある農薬はないため、ウイルスを媒介すると考えられているアブラムシ類の防除を徹底する。
①苗からアブラムシ類を持ち込まないよう注意する。
②施設栽培では、育苗圃および本圃の施設開口部に目合い0.8mm 以下の防虫ネットを張り、施設内へのアブラムシ類の侵入を防ぐ。
③施設内および圃場周辺の雑草はアブラムシ類の発生源となるため、除草を徹底する。
④定植時等に粒剤やかん注剤を施用し、アブラムシ類の発生を予防する。
⑤アブラムシ類の発生が確認された場合は薬剤防除を実施する。
⑥アブラムシ類の薬剤抵抗性の発達を防ぐため、IRAC コードの異なる薬剤をローテーション散布する。
⑦施設栽培では、アブラムシ類を周辺に分散させないため、栽培終了後にすべての株を抜根し、施設を密閉してアブラムシ類を死滅させる。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ピーマンにアザミウマ類 県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
-
【注意報】トマト、ミニトマトに「トマトキバガ」県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2025年7月10日
-
【特殊報】メロンにCABYV 県内で初めて確認 茨城県2025年7月10日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】コメ増産こそが自給率を向上させる~輸入小麦をコメで代替すれば49%2025年7月10日
-
【第46回農協人文化賞】地道な努力 必ず成果 経済事業部門・愛知県経済連会長 平野和実氏2025年7月10日
-
【第46回農協人文化賞】全ては組合員のため 経済事業部門・宮崎県農協副組合長 平島善範氏2025年7月10日
-
ジネンジョとナガイモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第348回2025年7月10日
-
【2025国際協同組合年】SDGsと協同組合 連続シンポジウム第4回2025年7月10日
-
備蓄米 コンビニの7割で販売を確認 7月9日時点 農水省調査2025年7月10日
-
【人事異動】農水省(7月11日付)2025年7月10日
-
水稲の斑点米カメムシ類 多発に注意 令和7年度病害虫発生予報第4号 農水省2025年7月10日
-
【JA人事】JA加賀(石川県)新組合長に道田肇氏(6月21日)2025年7月10日
-
【JA人事】JA新みやぎ(宮城)新組合長に小野寺克己氏(6月27日)2025年7月10日
-
「田んぼの生きもの調査」神奈川県伊勢原市で開催 JA全農2025年7月10日
-
「米流通に関するファクトブック」公開 米の生産・流通など解説 JA全農2025年7月10日
-
「おかやま和牛肉」一頭買い「和牛焼肉 岡山そだち」ディナーメニューをリニューアル JA全農2025年7月10日
-
本日10日は魚の日「呼子のお刺身いか」など150商品を特別価格で販売 JAタウン2025年7月10日
-
転炉スラグ肥料がイネの発芽・発根・出芽を促進 農研機構2025年7月10日
-
適用拡大情報 殺菌剤「日曹ムッシュボルドーDF」 日本曹達2025年7月10日