アイルランドが対日輸出に意欲2017年11月15日
・日EU・EPA大枠合意踏まえ
・アイルランド農業・食糧・海産大臣が来日
日EU・EPA(経済連携協定)交渉が進むなかで、EU構成国のアイルランド政府は11月14日、東京都内で、アイルランドの農業の紹介、および農畜産物のPRを行なった。
マイケル・クリード、アイルランド農業・食糧・海産大臣は記者会見で、同国の、環境に優しい農業、農畜産物の安全性を強調。日EU・EPA交渉の大枠合意で、関税が削減されるのを機に、牛肉、乳製品の対日輸出拡大することに意欲を示した。
グリード氏は、アイルランドの農業が世界でも最高水準の安全基準を設けていることを強調。同国は450万人の人口を持ち、自国で3500万人をまかなうだけの農業生産があり、90%を海外輸出しているとして、農畜産物の輸出能力に自信を示した。
対日輸出の狙いとして、日本の多様な調達先の一翼を担うとともに、将来の東南アジア向け輸出の拡大を挙げる。「安全・品質への基準が厳しい日本で成功させ、東南アジアへの輸出拡大の足場にしたい」と述べた。
グリード氏は、同国の畜産関係者らと来日して日本の市場を調査。13日には加藤勝信厚生労働相と会談し、牛肉輸出の規制緩和について「建設的な話ができた。これからアクセスについてフォローアップし、ロードマップをつくることになるだろう」と話した。
なお、イギリスのEU離脱については「対英輸出が全体の40%を占めるので影響は大きい。よりよい方向に持って行きたいが、大変切迫感を持っている」と危機感を示した。これへの対策も、今回の訪日の目的と見られる。
(写真)対日輸出に意欲を示すクリード、アイルランド農業・食糧・海産大臣(記者会見で)
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