新型無人ヘリFAZER、全世界での販売めざす2013年10月23日
ヤマハ発動機は11月、10年ぶりとなる新型の産業用無人ヘリ「FAZER(フェーザー)」を全国発売する。10月22日、都内でこの発表会を行った。
無人ヘリは、農業現場では水稲の種まきや農薬散布などで活躍している。1988年に国内で初めて発売され、農薬の飛散や墜落事故など問題が発生していた有人ヘリに代わり、いまでは全国で活躍している。
ほかの防除機器に比べて1haあたりの農薬散布時間が約10分と圧倒的に短時間で済むなどのメリットがあり、2013年の水田での農薬散布面積は102万haと、全体の4割近くにまで拡大している。
現在、ヤマハとヤンマーの2社が開発・販売しており、国内の登録機体数は2458機(2013年8月現在)。市場規模は年間約200台ある。
発表会でヤマハの石岡修UMS(※)事業推進部長は「無人ヘリは、小規模から大規模まで、生産者の経営規模にかかわらず、防除の効率化、省力化を実現できる」として、今後さらなる生産者の高齢化や環境への対策、低コスト化などが求められる農業の生産現場で、活躍の場が増えるだろうと期待した。
ヤマハの無人ヘリは88年のR50、97年のRMAX、03年のRMAX Type2Gに続き、FAZERが4代目。従来機に比べて、出力を24%向上したため積載力は5割増しとなり、より少ない離発着回数でより多くの面積をカバーできるようになった。また、低燃費、低騒音も実現し、環境に優しい静かなエンジンを搭載している。
同社は、国内のみならず、タイ、韓国など水稲生産が盛んなアジア諸国、また、警備・監視・観測など非農業分野への利用も検討されている米国など、海外に向けてもFAZERを販売していきたい考えで、「2010年代後半には全世界で年間500機の販売をめざす」(石岡氏)との目標を掲げている。
商品の価格・性能など詳細については、10月11日付の記事「無人ヘリの新型機「FAZER」を発売 ヤマハ」で。
【UMS】
Unmanned Systeme=無人システムの略。無人ヘリ以外にも、農作業支援用の機器なども開発中。
(写真)
上:石岡修UMS事業推進部長
下:FAZER(手前)と従来機のRMAX Type2G
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