米の現物市場 生産者が開設 再生産可能な価格形成めざす (株)農葉2023年10月13日
石川県の(株)ぶった農産と茨城県の(株)農業生産法人田仲農場は10月10日、米の現物取引市場を開設する(株)農葉を設立した。取引開始は12月以降で11月から会員登録を開始する。
(左)佛田氏と田仲氏 12日、農水省内の農林記者会で。
設立の理念は、農業者と地域の努力で生産された米が正当に評価される現物市場。特別栽培米や循環型生産など持続可能性への取り組みが米価として評価され、「農業者が収益を上げて自立できることが目標」と代表取締役に就任した佛田俊弘氏は話す。
同市場に参加する農業者やJAなどの売り手と買い手側について、環境や地域への配慮などの取り組みや外部監査の有無などで格付けをする。
取引する米についても年産と産地品種銘柄、等級だけでなくGAPの取り組み、肥料削減、特別栽培、有機栽培などの栽培法、地域との調和、環境対策への取り組みなどを評価するほか、出品する米について穀粒判別機による品質データの評価の情報提供も求め、出品された米も格付けをする。
取引ロットは売り手、買い手の都合に応じたロットとして玄米のほか、精米取引も行う。
取引方法はインターネット上のグーグルフォームを活用し出品情報を登録、情報シートを登録した会員に提供する。
佛田氏は産地・品種銘柄、等級だけでなく栽培方法などを提示することで「ニーズを深掘りする市場を作る」としており付加価値が評価させるよう市場を運営していく方針だ。また、ニーズに応じた生産ができるよう同社は産地に対して土壌分析や生育診断ソフトなどを活用したコンサル機能を発揮して「取引が成立するような努力も行う」としている。
会員は取引ができる正会員と准会員のほか、市場の動きに関する一定の情報が得られる情報会員、一般会員なども募集する。
目標は2030年度に会員1万5000社、取引量7800tとした。取引手数料は取引量によって売り手からは1.0%~0.5%、買い手からは1.5%~1.0%を徴収する。
生産者起点の価格形成をめざすが、実需者・消費者とのコミュニケーションを重視し、敵対的な関係ではなく協働的な関係を作ることを重視し、仕組みづくりに1年程度かかることも視野に入れている。
取引が動き出せば、同市場で形成された指標価格も示す方針で「生産者に有利な取引ができることが発信できれば参加者が増えることになる」と佛田氏は話す。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































