果樹特化型農薬散布ドローン開発のスタートアップ 投資型クラファン開始 東京ドローンプラス2025年6月20日
東京ドローンプラス株式会社(千葉市中央区)は6月19日、株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO(ファンディーノ)」において、投資申込みの受付を開始した。

2019年設立の東京ドローンプラスは、準国産の果樹特化型農薬散布用ドローン「ヘリオスアグリ新シリーズ」の開発と、地上走行型農薬散布ロボット「ゼウス」の開発・提供を通じて、持続可能な農業の実現を目指すスタートアップ。人手不足や高齢化が深刻化する農業現場に対し、空陸のスマートロボットを活用した省力化・効率化のソリューションを提供している。今回の募集を通じ、同社は中長期的なビジョンであるスマート農業と地域循環型の農業インフラ構築の実現を加速する。
農業の人手不足に挑むドローンソリューション
日本の農業分野では、作業の担い手不足や高齢化が顕著で、農薬散布などの重労働を中心とした業務の自動化・省人化が急務。とりわけ、ドローンを導入している農家は全体の数%にとどまり、まだまだ市場には未開拓の余地が残されている。
こうした課題に応えるため、同社が開発する「ヘリオスアグリ新シリーズ」は、空中からの農薬散布に特化したドローンで、従来の作業時間を約6分の1に短縮する。製品販売時にはマンツーマンでの現地講習を行い、導入支援からメンテナンスまで一貫したサポート体制を整備することで、高齢の農業従事者でも安心して導入できる環境を整えている。
同社の取り組みは国からも評価を受けており、開発製品は農林水産省「スマート農業技術カタログ」に掲載。また、2024年施行の「スマート農業技術活用促進法」に基づく「開発供給実施計画」も取得しており、公的な制度のもとで農業ドローンの普及と地域支援を進めている。今後は、全国のドローンスクールや自治体との連携を通じ、販売だけでなく講習や保守も地域に根付かせる"循環型導入モデル"の確立を目指す。
また、東京大学大学院との共同研究契約を締結するなど、産学連携による先端技術開発も積極的に推進。現在は、AI搭載カメラによる樹木の自動判別や高低差への対応、対象作物に合わせた最適な散布制御の実現に取り組んでおり、将来的には自動飛行制御による完全自律型ドローンの商用化も視野に入れる。
こうした研究開発により、単なる"農薬を撒くロボット"にとどまらず、精密農業やデータ農業への橋渡しとなる"農業のインフラ"としてのスマートロボットの実現をめざす。
<資金調達の目的>
・果樹園・段々畑向けの新型ドローンの研究開発
・AIカメラを活用した散布精度向上とトレーサビリティ機能の拡充
・東南アジア(ベトナムなど)への海外展開に向けた調査・販路開拓・体制構築
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