【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内の園芸作物で初めて確認 高知県2025年10月10日
高知県病害虫防除所は、園芸作物にチュウゴクアミガサハゴロモの発生を県内で初めて確認。これを受けて、10月10日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
高知県病害虫防除所によると、2024年12月にチュウゴクアミガサハゴロモの県内への侵入は確認されていたが、今回、県中央部および中西部でナシやイチジク、カキ等で寄生が確認された。
同虫は中国原産で、国内では2017年頃から関東以西で発生が確認されている。食性は広くクワ科、ブナ科、マメ科、モクセイ科、モチノキ科等の様々な樹木類や、キク科草本植物に寄生することが報告されている。
10月1日現在、神奈川県、埼玉県、福岡県、山梨県、東京都等1都1府13県で特殊報が発表され、ナシ等バラ科植物、カンキツ、カキ、ブルーベリー、イチジク、チャ等で被害が報告されている。
写真1、写真2:成虫(提供:高知県病害虫防除所)
成虫の体長は11~14mm程度、前翅長は10~13.5mm程度で、在来種のアミガサハゴロモ(体長7~10mm)やアオバハゴロモ(同10mm)と比べやや大型(写真1)。前翅は茶褐色から鉄さび色、前翅前縁中央部に丸みを帯びた三角形の白斑がある(写真2)。幼虫は白色で、背中の上部には小さな黒点があり、白い糸状の蝋物質が腹部から毛束の様に広がり、特徴的な外観をしている(写真3)。卵は寄主植物の枝の内部に産み付けられ、産卵痕は白色の蝋物質で覆われる(写真4)。
左から、写真3:幼虫、写真4:産卵痕(提供:高知県病害虫防除所)
被害としては、成虫および幼虫が枝を吸汁加害し、発生が多い場合にはすす病の発生が見られる。また、多数の卵が直径10mm以下の枝の内部に産み付けられるため、枝の組織を傷つけ、枝折れ被害が生じることがある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
・現在、チュウゴクアミガサハゴロモを対象とした登録農薬はない。幼虫や卵が付着した枝(写真3、4)を見つけた場合には放置せず、切除して埋却する等適切に処理を行う。
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