JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(59)生態に合わせた害虫防除の考え方【今さら聞けない営農情報】第325回2025年11月22日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るための農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。しかし、農薬をより効率よく正しく使用するためには、製剤の選択の他に散布対象となる作物やその生育ステージ、あるいは病害虫雑草の生態に合わせた使い方も重要になります。前回より害虫の生態に合わせた防除の考え方を紹介しており、まずは害虫の基本的な生態を紹介しました。今回は、この害虫の生態に合わせた害虫防除の考え方をご紹介します。
まず、変態です。昆虫は変態によって、卵から幼虫を経て成虫へと成長していきますが、体の小さな幼虫(特に孵化したての幼虫)の方が農薬への感受性が高く、少量の農薬で死滅させることができます。卵の段階で防除できれば一番よいような気もしますが、卵は殻をかぶっているため内部にまで農薬成分を到達させることが難しく、殺卵活性を持った農薬成分は少なく一般的ではありません。また、害虫の卵は葉裏や樹皮化など農薬がかかりにくい場所に産み付けられることが多いため、広い圃場内で産卵部位を見つけることが難しく、確実に農薬を卵に付着させることはかなり困難です。どんなに殺卵活性のある農薬であっても、卵に届かなければ意味がありませんので、卵を狙った防除はあまり効率の良い防除にはなりません。
このため、害虫防除ではできるだけ幼虫が小さな段階での防除が基本になります。越冬成虫や飛来成虫が出没する時期には、事前に作物の害虫加害部位に農薬を丁寧に隙間無く散布し、孵化した幼虫を迎え撃ちます。何世代も繰り返す害虫や圃場外から飛来してくる害虫では、成虫が発生したり飛来する期間中は、いつ幼虫が発生しても迎え撃てるように、作物の加害部位に農薬の有効成分がいつも存在するように、複数の農薬をその残効期間が切れる前にローテーション防除を行います。浸透移行性のある農薬であれば、その農薬を作物の株元に散布して根から吸収させて作物全体に有効成分を行き渡らせることができますので、適用がある場合は積極的に活用することをお勧めします。こうして、小さな幼虫の段階で全滅させることができれば、幼虫由来の成虫が発生することはありませんので、害虫の発生密度を低く維持できるようになり、被害も少なくなります。(つづく)
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