【特殊報】カンキツにチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 大分県2025年11月13日
大分県農林水産研究指導センターは、カンキツ(温州みかん、ポンカン)にチュウゴクアミガサハゴロモの発生を県内で初めて確認。これを受けて、11月7日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
大分県農林水産研究指導センターによると、9月17日に県南部のカンキツ園で、同県で未発生のチュウゴクアミガサハゴロモと疑われるハゴロモ類の成虫および枝への産卵を確認。農林水産省門司植物防疫所に捕獲した成虫の同定を依頼した結果、チュウゴクアミガサハゴロモであると判明した。
同種は中国原産で、2015年(※)に大阪府で初めて侵入が確認されて以来、関東以西から九州まで各地で発生が確認されており、19都府県で特殊報が発表されている(11月6日現在)。※初確認年は、春澤・宮武(2023)により2017年と報告されていたが、Kobayashi et al.(2024)により2015年と報告された。
チュウゴクアミガサハゴロモの成虫の体長は14~16mm程度。体色は暗褐色~黒色。前翅は幅広い三角形状で前縁中央に半楕円の白斑が存在する(写真1)。幼虫は白色で、腹部から白い糸状の毛束が広がっている。枝内に産卵された部分の表面は毛状の白色蝋物質で覆われている(写真2)。
左から、写真1:チュウゴクアミガサハゴロモの成虫と写真2:カンキツ枝の産卵痕
(提供:大分県農林水産研究指導センター)
同種は極めて広食性。カキ、カンキツ類、キウイフルーツ、クリ、ブルーベリー、モモ、リンゴ等の果樹のほか、チャ、各種植木類など多くの木本植物への寄生が報告されている。成虫、幼虫とも枝を吸汁し、寄主の枝に産卵をするが、年間発生世代数など生態は不明な点が多い。
被害の特徴としては、集団で樹木の枝を吸汁し、その排泄物にカビが生え、すす病を誘発することがある(写真3)。また、成虫は樹皮を剥いで産卵するため樹が損傷し、細枝が枯れることもある。
写真3:枝を集団で吸汁する成虫(提供:大分県農林水産研究指導センター)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)10月30日現在、チュウゴクアミガサハゴロモに対して登録のある薬剤はない。
(2)成虫・幼虫は物理的に捕殺する。
(3)産卵された枝は切除して圃場外に持ち出し、土中深くに埋設するか焼却処分する。もしくは袋に密閉した状態で数か月保管し、袋の中で死亡したことを確認した上で
処分する。
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