26年産の農家手取り「2万5000円めざす」 暴落の予兆に抗い再生産価格を確保 JA越前たけふ2025年12月25日
JA越前たけふの土本俊三組合長は12月23日、2026年産米の集荷価格について、概算金と追加払いを合わせた農家手取りで「(玄米60kg当たり)2万5000円をめざしながら進めていきたい」と述べた。新米の動きが鈍く米価の暴落懸念が拡がる中、農家が米作りを続けられる水準の確保に力を尽くす考えだ。
土本組合長の発言は、福井県越前市内で開かれたコメづくり研修会でのもの。2026年6月末の民間在庫が230万tを超えると見通され暴落が懸念される状況を受け、概算金に追加払いを加えた農家手取りで、玄米60kg当たり2万5000円の確保をめざす。4月に担い手を回って話を聴いたところ「適正価格は1俵(60kg)2万5000円くらい」との声が多かったことを踏まえた。
集荷競争が中盤まで加熱した2025年産米では、概算金と追加払いを足すと玄米60kg当たり3万2000円で、それと比べると7000円低い。ただ、取引関係者の間では「このままいけば暴落するのは間違いない」(米卸大手神明の藤尾益雄社長)という見方が広がっている。スポット価格では新潟県産コシヒカリも3万円を割り込み、底が見えない状況が続く。近年にない過剰在庫で26年の出来秋を迎えれば、26年産米の価格は大幅に下がる恐れが強い。
JA越前たけふによると、農家手取りが2万5000円になり、各取引業者の経費に平均的利益を載せると、スーパーなどでの小売価格は精米5kg当たり3500円程度になるという。同JA指導部の担当者は「25年産は豊作だったが、高齢化や人手不足で生産調整などしなくても作付面積は減っていく。農機も人件費も上がっており、ある程度利益が得られる米価でないと後継者は来ない」と話している。
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