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ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日

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農林水産省は12月18日、2025年農業技術10大ニュースを発表した。

農業技術10大ニュースは、2025年に公表された民間企業や大学、公立試験研究機関、国立研究開発法人の研究成果のうち、内容が優れており社会的関心が高いと考えられる10の成果を農業技術クラブ(農業関係専門紙・誌など30社加盟)の加盟会員による投票で選んでいる。ここではトピック1から5を紹介する。

【トピック1】
ナガエツルノゲイトウを地下まで防除

農研機構と千葉県農林総合研究センター、神奈川県農業技術センターは、水田の難防除雑草ナガエツルノゲイトウを防除する技術を開発した。水稲移植栽培期間中に複数の農薬で処理する技術を体系化したもので、この方法を2年間継続すれば、まん延した水田でもナガエツルノゲイトウの地下部まで駆除でき、分布拡大防止が期待される。

ナガエツルノゲイトウは温暖な地域を中心に、2024年には26の都府県で分布が確認され、根絶の難しさで知られている。この技術により、生産者の手取り除草等の追加的な作業を省きつつ、水田内のナガエツルノゲイトウの地上部の生育を抑制し、分布拡大を防止できる。

ナガエツルノゲイトウの防除ナガエツルノゲイトウの防除

【トピック2】
ドローンで鳥獣害対策に革新

NTT e-Drone Technologyなどは、鳥獣害対策のためのレーザー搭載ドローンを開発した。自動航行機能により、鳥獣の追い払いにかかる人的・時間的負担を削減する。農地の鳥獣害対策のほか、鳥獣によるウイルス等の伝播を防ぐことにより、畜産業の防疫対策への貢献も期待できる。

赤・緑レーザー照射で鳥獣に視覚的に強い違和感を与え、忌避を実現する。複雑な照射パターンで慣れを防止し、効果を持続する。上空からの照射で屋上や高所などにも対応し、ドローンの自動航行で養鶏場や牛舎など広範囲のエリアでカラスを忌避。イノシシやシカ、カラスなど多様な鳥獣で実証。忌避業務の人的・時間的負担を軽減し、農作物被害を抑制するとともに、鳥インフルエンザや豚熱等の感染源となる鳥獣の忌避により、畜産業の防疫対策にも貢献する。

ドローンによる鳥獣害対策ドローンによる鳥獣害対策

【トピック3】
日本初の有人監視型自動運転草刈り機

アテックスは、国内企業としては初の有人監視型自動運転草刈り機を開発・販売した。従来の自動運転草刈機のように、作業場所をフェンス等で囲う必要はなく、オープンなスペースでも安全に自動運転による草刈りが可能だ。

高精度GNSSを搭載し、誤差5cm前後(平地時)で走行ルート上を自動走行し、暴走や接触、エリア外走行時の自動停止など安全機能も装備する。作業場所の傾斜角度に応じて、エンジンを左右に自動傾斜する機能により、自動運転時は30度、手動運転時は45度の傾斜でも使用が可能。
自動走行中は監視のみで、安全性の向上や熱中症の回避にも効果が期待される。

有人監視型自動運転草刈り機有人監視型自動運転草刈り機

【トピック4】
温暖化時代の果樹適地予測マップ

農研機構は、温暖化に対応した果樹の栽培適地予測マップを開発した。温室効果ガス排出量が異なる複数の仮説を基に、今世紀半ばおよび今世紀末の栽培適地予測を1kmメッシュ単位で詳細に示し、温暖化に対応した長期的な栽培計画策定に活用できる。

温室効果ガス排出量を①少ない、②中程度、③非常に多いの3つのシナリオで今世紀半ばと今世紀末の気温を推定する。将来の果樹栽培に適した地域をマップ化することで、樹種転換を含む果樹の生産計画や自治体による地域気候変動適応計画の策定を支援し、持続可能な果樹生産への貢献が期待できる。

果樹適地予測マップ果樹適地予測マップ

【トピック5】
赤色レーザーダイオードで植物の成長を促進

東京大学は、赤色レーザーダイオード(LD)を光源に用いることで、赤色発光ダイオード(LED)に比べ、植物の光合成と成長を促進できることを世界で初めて確認した。植物工場や宇宙空間などの閉鎖空間での栽培への応用が期待できる。

赤色LDは光合成色素(クロロフィル)の吸収に最適な波長の光。これを光源として照射することで、従来の赤色LEDよりも植物の光合成速度が向上し、植物の重量や葉面積を大幅に増加させることを確認した。赤色LEDよりも精密に波長をコントロールできる「次世代型光源」として、栽培効率の向上が期待される。

赤色レーザーダイオード赤色レーザーダイオード

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